落ちた星 〜絵本『星を導く羊飼い』
むかしむかし
はるかとおくの空には、たくさんの星がかがやいていました。
そして星たちは、みんながもっているこころに反応し、わたしたちの元へやってきました。
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そんな星とわたしたちを守ってくれるのが羊飼いです。
羊飼いは赤い星の光をもっていて、みんなの星が正しい道を歩めるように、そっとみちびいていました。
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ある日、さみしくて、こころがまよってしまう星があらわれました。
そんな星は、まわりの光をすいこんでしまい、どんどん暗いむらさき色にかわっていきます。
みんなは、その星を「まよい星」とよび、こわがりました。
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しかし、ある羊飼いの男の子だけは、まよい星をけっしてこわがりませんでした。
かれは、まよい星のそばにそっとよりそい、やさしい赤い光で包みこみました。
すると、まよい星のくらかった光は、すこしずつ、やさしい光に戻っていきました。
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げんきになったまよい星は、羊飼いの男の子に「ありがとう」といいました。
羊飼いの男の子は、にっこりわらって、いいました。
「だいじょうぶだよ。きみは、けっしてひとりじゃないからね」
そうして、羊飼いの男の子は、いつもまよい星に寄り添い、その後もみんなの星を正しい道へと導いていきました。
おしまい。