『セツとの宇宙旅行』++++++ ちみにぃさん
『セツとの宇宙旅行』
窓の外に瞬く星々は、はたしてどんな星なのだろう。
赤、青と温度で変わる色がわかるのみで、それがどんな星なのかは、こうして目視しているだけではわからない。航空管制官だというジナに聞けば、もしかしたらわかるのだろうか。
「──あぁ、いたいた」
赤い髪留めを付けた金色の髪が揺れ、室内灯をきらりと反射した。
++++++ くるるさん
「ゆうり、探したよ」
「セツ! 私もだよ。どこに行っていたの」
「ごめん、あっちでゆうりの好きそうな物を見つけたから」
そう言ってセツが取り出したのは無数の星が煌めく小さな小箱だった。
「ほら、ゆうりの瞳のようにキラキラと輝いているだろう?」
胸の鼓動が高くなるのを感じた。
「ありがとう。でも、私を置いていかないで欲しい。初めての場所だから、不安で」
「そうだね、分かったよ。はぐれないようにこうしよう」
セツはそっとゆうりの手を握る。
「それじゃあ、行こうか」
「うん。セツとなら何処へでも!」
ゆうりはセツに手を引かれて、宇宙船から足を踏み出した。
++++++ ゆうりさん
宇宙船から出たそこは海辺だった。
初めて見る海という場所に興奮が隠し切れない貴方に隣で手をつなぐセツは眩しいものをみるかのように目を細めている。
「あ!知ってるよ!あれはカニ、あれは貝殻、あれはカモメっていう鳥でしょ?」
得意気にセツに話す貴方にそうだねとひとつひとつ相槌をうつセツ。
瞳は海を反射したようにキラキラと輝きを放ち、離すことのない手からは興奮からかいつもより力が込められている。
「ねえ、セツ。海といったら・・・」
++++++ たけのこさん
私は思いっきり足を振り上げる。大きな水しぶきが放物線を描いてセツにかかる。
「うわっ!!何をするんだ…
…ふふっ」
いつの間にかセツもブーツを脱いで裸足になっていた。
セツも私の動きを真似てバシャバシャと音を立てる。
彼女の華奢だけどしっかりと筋肉量のある素足はちょっと艶めかしくて、おもわず目を逸らした。
言うなら今しかないのかもしれない。
「…ねえ、セツ。」
++++++ いとま
「セツはといつまでも一緒にいてくれる?
今回みたいな旅行沢山して、沢山思い出作ってくれる?」
セツは脈絡のない私の質問に混乱しながら、
ふざけていない事を察して、「うん、いつまでも一緒だよ」と笑顔で答えてくれた。
との笑顔と答えがとても嬉しかった。