『カフェのマスターとデート』++++++ ゆうりさん
『カフェのマスターとデート』
いつも行くカフェのマスターとデートしたいと思いたった私……どうしよう、
このままじゃ死んじゃうかも
++++++ たけのこさん
震える手で文字を打つ。
「明日、会えませんか?」
緊張のせいで随分長く感じたけど、5分もしないうちに返事がきた。
「君から誘ってくれるなんてちょっと意外だな笑 でも嬉しいよ
よければぜひ!君と行きたいところがあったんだ!」
嬉しくて涙が出てきた。私が本当にマスターとデートに行けるなんて。
「ほんとうですか私も嬉しいです笑
どこに何時集合にしますか?」
「第二小学校の裏山に、夜2時半。遅れないでね。」
++++++ いとま
「第二小学校の裏山?夜の二時半に集合?」
私は時間と場所に首をかしげる。
でもマスターとの初デート、私と行きたいと言ってくれている事に嬉しく感じ、
「わかりました」と返答をする。
次の日、デートの日
何を着ていくか考え抜いた服でデートの待ち合わせ場所に向かった。
++++++ ちみにぃさん
考えに考えた私は、待ち合わせの『夜の二時半に第二小学校の裏山』という時間と場所から、探検隊のような装備を整えた。
夜の二時半に山。それはもう、やることと言えばツチノコ探ししかない。
マスターがチョイスした私との初デートのプランが『ツチノコ探し』であると思えば、私が彼にどう思われているかが別の意味で気になってきてしまうので、考えないことにした。
約束の時間の1時間前、午前1時に待ち合わせ場所に着いた──ハリキリすぎている自分が、恥ずかしい
++++++ くるるさん
「待たせたね」
「マスター!? いつから待っていたの?」
「時間の概念なんて忘れて今日は僕とつちのこを探そう」
マスターに手を引かれ山奥へと引き込まれていく。
「つちのこの花言葉って知ってる?」
「いや、つちのこが花なのを初めて知ったかな?」
「それじゃあ、教えてあげる。君への愛さ」
マスターは両手で抱えきれないほどのつちのこを抱えていた。
うねうねと動くキノコのような物体は正直気持ちが悪かった。
「マスター、私もひとつ教えてあげます」
「なんだい?」
「深夜に動くきのこ渡されて喜ぶ女がいるか!!!」
私は振り返らずに全速力で山を駆け降りた。
この山には一つの伝説があった。
それは、午前2時にこの山にいるとマウンテン田中に取り憑かれて、コマネチしか出来なくなるという伝説だ。
「ごめん、マスター、あなたのことは好きだけど、コマネチはしたくないから」
そうして、マスターはコマネチしかできない体になった。
おしまい