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    namagimo_twst

    @namagimo_twst

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    namagimo_twst

    BLANKぽいぴくに文章投稿が出来ると聞いて‼️
    ただの試し打ちなので、ほんと適当な部分で切ってます。
    「ジャミルが倒れた」──カリムにとって、その心を動揺させるには十分な一言だった。
     それは魔法史の授業の終わり、慌てた様子で駆け付けたアズールから伝えられたもので、気がつけば全力で駆け出していた。
    「っと……! 悪い、ホントごめん!」
     混雑した廊下を走るカリムは、その肩を見知らぬ寮生にぶつけてしまい、慌てて振り返りながらも足を止めることなどは出来ずに大声で謝罪する。その寮生が、倒れるような素振りもなくただ呆然とこちらを見ているだけであったのは不幸中の幸いだ。今のカリムには、誰かに手を差し伸べてやる余裕などなかったのだから。
    「ジャミル!」
     ガタンッ、と大きな音を立てて保健室のドアを開き、カリムはなだれ込むようにして入室する。その嵐のような騒々しさに、保健医は飛び上がらんばかりに驚いてから苦笑いで振り返った。
    「はは……アジーム君だね」
     膝に両手をついて肩を揺らし、ぜひぜひと掠れた喉を震わせながら、カリムは首筋の汗を右手で拭う。流れるほどでもないじっとりとしたそれは、霧吹きで吹き付けたように全身を包んで気持ちが悪い。
    「その、ジャミルは」
     カリムと目を合わせた保健医は、最初の苦笑 2074