竜路骨航1
俺の戦争に役立たないものは要らない。
作戦どおりのタイミングで水面を割り出で、頭上から降る警報を聞きながら唾液を急速に充填。ざっと状況を見回して動きの悪い一般兵の列に放り、途端にそれを避けるように動く隊員どもに舌打ちする。動けるじゃねえか。
「出来るなら最初から指示通りやれ!!次サボった奴はくたばるまで訓練にぶち込んでやる!お前らの代わりなど、いくらでもいるんだぞ!!」
注入器から口を離して吠える。
俺は俺の戦争をするために隊長の地位をもぎ取った。役に立たないやつは必要ない。
再度唾液の注入器を噛み締め直し、喋ることが出来なくなるため副官補佐の黒壁を睨む。黒壁は若いながら付き合いの長い部下だ。それだけで言わんとすることが伝わる。乱れた隊列に黒壁が「前進!!」と喝を入れ、一般兵の有象無象どもが『捕食者』どもに群がる。その中心に爆弾を放れば一匹また一匹と捕食者は数を減らす。
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