アスキラな夏アスキラ1→男子高、夏、ネクタイなしベスト、幼なじみお昼休み
◇くしゃみしたキラがアスランにベスト借りるとか
高校一年の夏、あと一週間で俺達は夏休みだ。
高校生になって初めての夏休みだけど、今年もきっといつもと変わらない夏になる。
だって、俺の隣には、小さい頃からずっと一緒にいる幼なじみのキラがいるから。
その幼なじみはというと、さっきからちょっと悲しい顔をしてるが、恐らく昼にキラ御用達のメロンパンを買えなかったことを引きずってるとかだろう。
本人には悪いけど、そんな顔もたまらなく可愛くて、ああ、やっぱり好きだなあなんて思いながら俺はキラを見つめていた。
「夏休みかぁ…ちょっと寂しいなぁ…」
「楽しみじゃないのか?この前、夏休みに何するか、すごいウキウキで計画立ててたじゃないか」
「うん…。それはもちろん楽しみなんだけど…アスランに毎日は会えなくなっちゃうなぁって思って」
「!!//」
俺の勘が外れたらしい。そんなことを思ってたのかキラ…!!今年の夏は結婚してしまおうか?
「…毎日お前に会いに行くよ。」
「ほ、ほんと!?」
「…というか、毎年毎日お前の家に会いに行ってるだろ?ったく…」「(キラッてば本当に可愛いやつ!!!)」
「へへっバレちゃったか…。今年もたくさん遊ぼうね!アスラン!」
「課題を終わらせてからな」
「ぶー!アスランのおかん〜!まずは夏休みに入りたての新鮮の開放感を味わうのが通なんだぞ!
「キ〜ラ〜!!お前のせいで俺はせっかくの夏休みの終わりの余韻に浸れないんだぞ!しかも毎年!!」
「終わりの余韻ってなんだよ〜。そんなの学校始まっちゃえばずっと味わえるだろ?」
「お前こそ夏休みに入りたての新鮮な開放感って何だよ!それはキラがギリギリに課題をやるからいつも〆切に追われてるだけだろ!ったく…俺はお前といる時間を大切にしたいのに…ボソッ」
「えっ…//…それは…僕だって……、もっとアスランとイチャイチャしたい…よ…//」
「キラ…」
「そうだよね…。僕が課題をちゃんと終わらせられたら、もっと君といる時間を大切にできるってことだもんね…。僕、今年こそ頑張るよ」
「キラ〜!!」
おいおい
「え!?アスラン!!?まさか…泣いてる!?」
「だって…お前それ毎年言ってるじゃないか…。それで終わった試しないだろ?もはやフラグなんだ………」
「えええ!!?僕そんな信用無いの!?ひどいよアスラン!!僕だって…っくしゅん!」
「大丈夫か?暑がりのお前が珍しいな?」
「うーん、朝起きたらお腹が丸出しになってたからかな…?」
「ぷっ…あはは!容易に想像できるな…」
「もう!ひどい!…っしゅん!」
「はは、悪い。元気なキラらしいなと思って。俺のベスト貸すよ」
「え?いいの?でも君寒くならない?」
「これ、別に寒くて着てるわけじゃないんだ。まあ、ベストくらいじゃ大して温かくないかもしれないが…ほら、万歳して」
「じ、自分で着れるよ!もう、アスランってば僕のこと子供扱いしちゃってさ!」
「違うさ。俺がお前に構いたいんだ。それならいいだろ?」
「え?な、なんだ!もう〜アスランってばしょうがないなあ。兄として君のわがままを聞いてあげよう。ほら」
「ふふ。でたなそれ?じゃあじっとしてろよお兄ちゃん?よいしょっと」ちゅっ
「!!?」
「はい。もういいぞ」
「あああ、アスラン!!!?!こここ、ここ教室だよ!!?」
「ああ。わかってるさ。でもお前が可愛いのが悪いんだからな」
「何だよそれ〜!僕悪くないよ!もうアスランなんて知らない!!」
廊下に逃げていくキラ
「(あ〜もう…顔が熱いよ…アスランのバカ〜!!)」
ピタ…
「(でも…そんな君がたまらなく好き)」
「(今度やり返してやろ!)」
一方その頃教室では…
伏せっている真っ赤なアスラン
ガヤ「どうしたのアスランくん?」「具合悪いの?」
「(俺は何をやってるんだ…!!教室でキスなんて!!バレたらどうする!?)」
キラの顔回想
「(で、でも、あんな無防備で可愛いすぎるあいつが悪いんだ!!くっ…思い出しただけでもうキスしたい…!!)」
目をギュッと閉じる
「(…やっぱりキラといると調子狂うな…あいつ許してくれるかな)」
夏休み間近、照りつける太陽よりも熱い僕らの恋はまだまだ続く。
廊下で目を閉じて唇に触れるキラ、唇に触れる遠くを見るごろん…なアスラン
おわり