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    びこしゅー

    @kituneno_eakaのポイピクです。
    今までTwitterにあげた獪岳さんの小説や短編をあげていきます。
    R-18はパスワードかけてます。
    楽しんでいただけると嬉しいです☺️

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    びこしゅー

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    癒しは自分で供給すると稲田さん家です
    いっぱい甘やかされて健やかに育ってくれ…獪くんは可愛いね

    稲田さん家の獪岳くん 夏の思い出 夏です!例年よりもじっとりと暑く稲田さん家の元気いっぱいな獪岳くんもダルダル気味です。
     お外に出ることもなくクーラーのついた部屋でガオくんたちとおままごとをする毎日、流石の一人遊び上手な獪岳くんも飽きてしまいます。
    「おかちゃ!かぃあいちゅたべたい!」
    「アイスは1日一本って約束でしょ?こんな朝に食べたらお昼からアイスなしだよ?」
    「やーだ!あーいーちゅ!」
    「そう言って昨日もお昼からアイス食べたいって泣いてたじゃない」
    「やだやだやだ!あまあまのほちい!!」
     バタバタと足を動かして駄々をこねる獪岳くんに流石のお母さんもやれやれと呆れ気味です。そんな中、玄関の扉が開き汗だくのお父さんが中へ入ってきました。
    「ただいまー…あれ、かいくんどうしたの?」
    「おとちゃ!かぃ、あいちゅたべたいの!はんぶんこちよ?」
    「あっ、こら!ズルはダメよ!」
    「うーん、おとちゃはまだアイス食べないかなぁ」
    「やーだ!たべるの!」
    「でもアイスばっかりだと虫歯になって歯の病院行かないといけなくなるよ」
    「はをきーん!?やだ!かぃはいちゃはや!!」
     定期検診で大泣きするお友達を目にしてから獪岳くんは歯医者が苦手です。でもアイスは食べたいと涙目です。
    「……アイスじゃないけどかいくんにサプライズ!とっておきのものがあるとさっきおかじいちゃんからお電話がありました!」
    「おかちぃちゃ!なになに?なにあるの??」
    「それは行ってからのお楽しみです!では、3人で今からおかじいちゃんのお家に向かいます!」
    「ちがう!がぉくんとがぉがぉくんもだからごにんだよ!」
    「じゃあ、ガオくんたちを起こしてきてくれる?」
    「うん!」
     大泣きだった獪岳くんもおかじいちゃんという言葉に反応しパッと笑顔でガオくんたちのいる寝室へと走って行きました。
    「えっ、僕も初耳なんだけど何があるの?」
    「それは行ってのお楽しみです」
     得意げなお母さんにお父さんは首を傾げていましたが、ガオガオくんが起きないと走ってきた獪岳くんに引っ張られ寝室へと向かいました。
    「おかちぃちゃのいえにちゅっぱーつ!」
    「「おー」」
     獪岳くんの元気な号令で車は走り出し高速道路に入ると後ろからは泣き疲れた獪岳くんの寝息がします。

    「んー…ちゅいた?」
    「ついたわよー、はい!バンザーイして」
    「ばんぢゃーい」
     チャイルドシートから降ろしてもらった獪岳くんは大急ぎで玄関へと向かいます。
    「あー、走っちゃ危ないわよ!」
    「おかちゃ、だっこちて!かぃぴんぽーんちゅるの!」
    「あぁ、それで急いでたの?」
     いつもは獪岳くんたちの足音で扉が開くのでチャイムを押したことのない獪岳くんは早く早くと急かします。
     お母さんに抱っこされドキドキでチャイムを押すと家の中でピンポーンと音が響きました。
    「はいはい、あらあら!かいくんこんにちは!待ってたわよ」
    「母さんただいま」
    「おかばぁちゃ!かぃだよ!わかった?ぴんぽーんって」
    「えぇ、えぇ!かいくんの元気な足音が聞こえてたからねぇ!暑かったでしょ?さぁ中に入って」
     三人で中へ入ると土間にはお爺ちゃんが大きなものを抱えて立っていました。
    「おぉ、いらっしゃい!」
    「おかちぃちゃ!ちょれなに?」
    「これかい?これはねぇスイカだよ」
    「ちゅいか?ちがうよ?ちゅいかはまっかっかなんだよ?」
    「そうそう、よく知ってるね!これを切るとまっかっかが出てくるよお隣さんから大きなのをもらったからかいくんにも食べてもらいたくてね」
    「ちゅいかたべられるの!?やったー!!」
     都会ではなかなか食べられないスイカに獪岳くんは大喜びです。
    「ちょっと待っておくれまだもう少し冷えてないからな」
    「れいぢょーこにいれるの?」
    「冷蔵庫じゃなくてこの桶に湧き水を溜めて冷やせばもっと冷たくなるよ、ほれ、冷やしたきゅうり食べてごらん」
    「わー!ちゅめたい!!おとちゃ!きゅーりひやひやだよ!!」
     大興奮で胡瓜にかぶりついた獪岳くんは美味しいとガオくんに報告です。
    「みてみて!きゅーり!ひえひえなんだよ!!」
    『わぁ、おいちそうだねぇがぉくんもたべたいよぉ』
    「とまともひえひえなんだよ」
    『うーん、がぉがぉくんはとまときらいだよぉ』
    「こら!ちゅききらいはめっ!だよ!」
     獪岳くんとガオくんたちの会話にお父さんはビデオを回してお母さんたちもニコニコと眺めています。
     胡瓜をみんなで分けて食べ終わった頃食べやすく切られたスイカが縁側の方へと運ばれていき腰掛けた獪岳くんの前に差し出されました。
    「種は庭にプッて吐き出してお食べ」
    「はーい!いただきまちゅ…あまくてちゅめたくておいちー!!」
    「そらよかった!」
    「おとちゃ!たねはぷってするんだよ!」
    「えっ、おとちゃもするの?」
     お皿に出していたのがバレて獪岳くんに怒られたお父さんは参ったなと照れ笑いですが獪岳くんと一緒に庭へ吐き出します。
    「わー!ちゅごーい!!おとちゃのたね向こうまとんだ!!どーするの?」
    「うーん、お口に空気溜めて吹き出す…かな?」
    「えー、わかんない!」
     納得のいかない獪岳くんの質問攻めにお父さんはタジタジです。そんな様子をお母さんはクスクスと笑っていました。
     お母さんのスマホには種を吹き出す二人の写真がバッチリ写っていますがこれはお母さんだけの秘密です。
    「おかちゃもたべよ!」
    「ありがとう…喜んでるみたいで良かったわ」
    「うん!ちゅいかおいちいよ!」
    「じゃあ、今日のアイスはなくていいわね」
    「ちょれはちょれこれはこれだよおかちゃ!」
    「もう!ほんとどこでそんなの覚えてくるの!」
     お母さんの呆れた声と同時に蝉にも負けない笑い声が響き今日も稲田さん家は幸せいっぱいです。
     結局甘々のおばあちゃんたちに高いアイスまでもらった獪岳くんは上機嫌、たくさんの美味しいものを満喫して帰路へとつくのでした。
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