「ん……」
夜中、クリックはあまりの寝苦しさに目が覚めた。
起き上がろうとしても、何かがまとわりついているかのように身体が動かせず、どうにか顔だけを動かして目線を自分の両サイドに向けると、「……あぁ」と納得した。
クリックの両サイドにはテメノスとクリスがベッタリと密着していたのだ。
テメノスはクリックの右腕をがっちりホールドし、クリスに至っては身体のほぼ半分がクリックの上に乗っかっている。
「二人とも……、暑くないんですか?」
そう言いながら二人を引き剥がそうとすると、
「「うー……」」
と、二人揃って離れるどころか、ますますガッチリとくっついてきた。
クリックが本気を出せば、二人がいかに力を込めようが引き離すのは簡単だが、そんなことをしたら流石に起こしてしまうかもしれない。
「……まぁ、いっか」
クリックは汗だくになるのも構わず、もう好きにしてくださいとばかりに二人の抱き枕となるのだった。
翌朝、汗でビチャビチャになったパジャマやシーツを洗濯しているテメノス達三人の姿があった。
END