[さようなら私。次の私はこんなんでいいの?]転生ものカーテンの隙間から朝日が差し込む。夏も近くなってきたせいなのか、明るくなる時間も早くなっているようだ。
それにつられるように意識が覚醒する。
「んー良く寝たー!ん?ん?あれ?」
目が覚めればそこは飾り気はないが、綺麗に片付かれた部屋だった。
見覚えは不思議とある。記憶にはあるが自分がそこで生活をしていたと言われると、確かにしていた。
正確にいえば、私の前の人格の記憶が私の中にあった。
この元の身体の持ち主の妹は頭が良い。勉学の頭の良さもさることながら、回転も速く姉の存在などいらないほどだ。
当然両親や従者たちの私に対する対応も邪魔者のように、いない人のように段々と辛辣になっていった。
だからか貴族でも私の部屋は最低限のものしかないのか。
1878