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    msyesterday_029

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    「ぼくらのストロベリーフィールズ」(保健体育/カリフォルニア/玲央せんせい)こぼれ話まとめ

    2020.12.22 拙作を読んでくださってありがとうございます。こちらはこぼれ話などを書けたらいいな〜と思っているページです。


     北玲は本来は与えたいが無限湧きの子×いっぱいいっぱい愛されたい子でストレートに・ストレスなく凸凹が噛み合ってる二人だと思っているんですけど、玲央が玲央であるがゆえに時々ぶつかる壁のようなものはどうしてもあるとも思っていて、今回はその中の一つを書きました。

     昔の家族のことを『別に嫌いじゃない』って普通に言えるのって、もう二度と家族には戻らないということを確信しているドライさ(他人であるからこその)から来ている部分もあるだろうけど、何割かは『パパ』のことも『ママ』のことも感覚として理解できる面があるからなんじゃないかなあと思っています。
    『自分が一番かわいい』人が集まっていた家がそれゆえに崩壊していくのを見ながら、玲央はたぶん、それが『しょうがないこと』『なるべくしてなったこと』だと理解 "できてしまった" のではないでしょうか。本当は、玲央はただそこで何もかもを奪われただけの無力な子どもだったのに、"わかってしまった" ばかりに、そこに在って自分は同類だと感じてしまうところがあるのではないかな……という、邪推です。
     よく見える目とよく聞こえる耳と感じすぎる心を賢い頭でマスキングして生きていた(「耳の塞ぎ方」を知っているということは、聞こえてしまうということ)玲央に、恐らく近しい性質を持つ子どもだったであろう依織が手を差し伸べたことは本当に救いなんですよね。
     玲央と依織は悪漢奴等の賢いさん組だと思っているので、小説の中で二人が会話する場面では割と言葉の外で情報をやりとりするイメージで描写しています。逆に、「玲央せんせい」でほななされる時みたいに依織が閉じている時は玲央は全くくみ取れない、その辺当たり前に依織の方がうわてなので……。
     で、そういう賢い子どもでやってきた玲央が『七つ年上の無垢な子ども』という存在と出くわした時に、それを美しく思わないの無理じゃないか? みたいな……そんでもって、それによって自分の心に差す陰が色濃く感じられちゃうこともあるんじゃない? みたいなことを思います。北斎の純粋さ・無垢さって、彼の人生において奪われてきたものと表裏一体ではあるんですけど、でもやっぱりその美しさはいずれ変わりなく美しさとして在るわけですよね。
     欲望で壊れた家に生きていたこの手であなたに触れることは、あなたを汚すことになりはしないか? この手はあなたに触れるに、あなたから触れられるに値する手だろうか? このわたしはあなたを欲する資格を持つ人間であったか?
     今回はそういう葛藤を抱える玲央のお話でした。また違うアプローチでも書きたいです。色んな北玲書きたい、無知じゃない北斎も書きたいし……今回書いてて無知攻めってめっちゃ良いなと思いましたが……それはそれ

    保健体育はじめました:
    与えるつもりで伸ばした手で欲していたことで玲央が自分にかけられた呪いに気付く話
    あの日、カリフォルニア・キング・ベッドで:
    本当は玲央はずっと北斎に与えている/玲央は本来奪われた子どもであるという話
    教えて玲央せんせい:
    二作を踏まえて北斎から玲央へ愛の返礼をする話

     こういうイメージ? テーマ? とは言えないと思いますが、で書いていました。
     玲央が悪漢奴等の中でのびのびワガママアザトカワイイ末っ子ちゃんをやれるのって安心してそうできる信頼と愛の土台があるからで、その土台が玲央の中で歪む瞬間も揺らぐ瞬間もあるよねと思います。十代という年齢もありトラウマもありそれ以前に背負った人生の傷もあり……Twitterを見ていてもあんまり安定した子ではないんだろうな~って感じますよね。夜中に思いつめたツイートしてたの、SNSの使い方の面も含めて「円山玲央」として "わかる" すぎた……。
     忘れる時があるのは仕方ないし、あっても良いと思うんですよね。愛されていること、愛していること、もう二度と失われない居場所があるということ、そういう全部を、不意に呪われている自分を見出して忘れてしまう、ことがあっても良い。思い出せると思うので。いつだって家族がそばにいるから、同じ家に帰れるから。何度忘れてもそのたびに思い出していければいいねって思うし、いつかは自分を本当に愛せるようになると思います。玲央は今そういう家に暮らしているので。

     カワイイが好きで孤独が恐い北斎にとって自分から甘えてくるカワイイの存在って割とマジで居てくれるだけで最高なんじゃないかと思うし、好きな相手への基本的な姿勢が全肯定の北斎だからできる肯定があると思っています。『あなたには価値がある』も『価値がなくともあなたは居るだけでたっとい存在なのだ』もスッとお出しできるのが北斎クオリティというか。でもそれって北斎が一人で・初めて玲央に与えるものじゃなくて、依織筆頭に家族の中ですでに与えられていて本当はもう知っていることなんだよね~ということで「思い出した」で繋ぐ流れを書きました。
     明るい部屋で大好きの気持ちを持ち寄って楽しくエッチができる二人でありますようにと願います。

     真実の愛のキッスで呪いが解ける話みたいなのが一生好きで、そうであってほしいと思って書いているところが割とあります。必ず最後に愛は勝つし、心を根っこの部分で支えるのは愛し愛された記憶であってほしくて、パラライにはまだそこが育っていない子も一生の伴侶を失った人もいるわけですけど……みんな幸せに生き抜いてほしいです。どういうかたちであれ。
     悪漢奴等というグループを家庭として見た時の安心感というか全員が全員にドLOVEなのが伝わってくる感じすごくて、本当に良い家族だなあと思います。そこに思いやりを持ち合う不断の努力があるのであろうことも含めて。


     次回は北斎視点で番外編的な……ちょっとエッチな話を書いて……その次に玲央視点で初夜編かな~と考えています。北斎視点試しに書いてみたらめちゃくちゃ難しくてそのまま初夜に突入するのはちょっと厳しそうでした。
     これからも読んでいただけたら幸いです。北玲に幸あれ、悪漢奴等に栄光あれ!
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