超銀の感想みたいなもの再燃してから各所で超銀の感想とかをちらほら見てると、やっぱり「ラストのウケが悪い」というのをよく目にするのが気になっていて、一体「ラスト」とはどこを指していて、なんの要素が「ウケない」のか、みんな割と言葉を濁しているのでわからないんですよね。
という前段を置いておいて。
常々私あの作品について複雑な想いを抱いているんだけども、009としての設定が美味しすぎるんで、石森先生が言うように「役者として出演してると思ってよ」というのはなかなか出来ないと言うか…それこそ役者として出演させてる、と言うなら最後004死んだまま終わったら良かったやん、て思ってしまうんだ。
個人的に、映画として出来が良いか?と考えると、まず作画はいいと思う。できれば新ゼロスタッフに手掛けてほしかったなと思う気持ちはあれど、安定してるし。イシュメールのデザインとかなんかビミョ~…(※個人の好みとして)な部分はあるけど、それは時代的なセンスかも知れないし…。まぁ…推しが友人に「デスラー?」って言われてたんでそこはね!(スタッフ被ってるからね!
ただ当時の新技術だったっぽいガンガン光らせるのは…もうちょい…使い所を…ウ、ウウン
声優さんも、人気投票だったってこともあるんで殆ど新ゼロメンツだし、文句はない。
問題はさ、脚本と絵コンテのテンポの悪さなんよな……。
まず絵コンテについては、ちょっと間延びし気味だな~…って思う。
色んな所でスピード感がないと言うか、メリハリがないので、ちょっとゆっくり…ダレちゃう。まぁ、絵コンテ間延びについては気にならん人は気にならんのだろうけど、やっぱり当時の松本零士作品(※映像)と似たようなテンポだなあと思う。宇宙戦闘メインになりがちな当時の松本作品は機体vs機体の絵コンテなので急ぎすぎてもダメだったんだろうけど、009みたいに人vs人(生物)戦闘が多めになる場合、割とキリキリ画面切り替えて動かしてく必要があるんだなあ…と思う。戦闘以外の会話シーンとかもちょっとコマ切り替えのタイミングが長めな印象。たぶん。アニメは全くわからんので完全に視聴者の感覚的な話になっちゃいますが。
そして脚本なんですけど…
まずそらまめくんことサバのあたりもっとちゃっちゃか説明進めてもいい感じ。妙に長い…長い以外に不満はないけど。助けに行こうって理由としても納得はいく。
んで、次にタマラなんですけど。
タマラの尺あんなにいる?(直球)
なんか…急にジョーに惚れてきて、すごく大事な女(映画的に)として死んでいくけど、死ぬにあたってそんなみんな…あの…頑張って助けた女だから死んだら元も子もないのはわかってるけど、そんななんか…この人こそ生きねばならなかったみたいな…そういうのがあんまり……………私には感じられないんで、この尺もっとボルテックスの説明に欲しかった。
タマラのカリスマ性みたいなのとか…ジョーに惚れる決定的な、印象的なシーンとか…あったらまた話は違ったんだけど、タマラが死んじゃうシーンでジョーだけじゃなくてジェットもハインリヒもめっちゃ悲しんでるのが「…そんな…でしたっけ…?」てなる。フランソワーズ可哀想なんよ。
あと別に、ここたまたま立ち寄ったところで巻き込まれたアクシデント的場面なのになーって思ってしまう。君たち本来の目的なんでしたか覚えてはります?ってなる。
おかげでゾアの宇宙要塞のほうがおまけみたいになっちゃうじゃん…?
そんなことない?
おまけで死ぬ推し可哀想やけども。
宇宙要塞にメンバー限定で入っていったのも、都合として…わかるが…おかげで「サイボーグ戦士はチームワーク!」みたいなのが薄れると言うか…タマラ救出戦でチーム戦やった?そやよね…やったよね。
ちゃうねん、結局みんなで闘うシーンの総割合が少なく見えるんですよ全体の尺的に。
だからタマラのところいる?(二度目)
そして唐突に湿る推し。
なんか特段そこまでドピンチでもなさそうなのに思いつきで「死に場所探してた」とか言い出して、これについてはアルベルト・ハインリヒっていうめんどくさい私の推し的には許容範囲内の思考回路なんでまぁ、皆の迷惑にならんところで、役にも立てる感じで、そろそろ死にたいなってなってるんならそういうメンタルだったんだなと思わざるを得ない。
アルベルト・ハインリヒ、よくわからん男だからそういうこともあるだろうな!
あとちょっと怪我したからね。ちょっとでも足手まといになりそうになったらそういう自分が許せないみたいなとこあるよね、おじさん。めんどくせえ男だなおまえは。
(新ゼロ終盤でジョーが逃げろつってんのにぼんやり空飛ぶピラミッドを見上げていて脚を怪我した004の場面を思い出してる(まぁ…そういうめんどくさい男だから好きだということは否めない
めんどくさい男だってもう三回言った。
この映画は、この面倒くさい男と赤毛のアメリカ人の友情を、ジョーとタマラの愛の物語と同等に描くことが主眼とされているらしいので(石森先生談)なんかよくわからんけど離れ離れのまま推しが死にますし、それに対して「どうして先に死んだ」って言いながらジェット君が号泣します。美味しいけど。美味しいけどまったくわからん。
なんなら前半の夕暮れシーンで、ジェットとハインリヒが会話をしてるのも、会話してる内容は(ちょっと二人共急に自虐的だし世をひね過ぎてるとも思うけども)ともかくとして、お前ら一緒に話してんのに距離が遠いんよ。近寄れ。
石森先生、なんで原作でもそこまでいっつも仲良し仲良しとはさせてなかったこの二人を映画で世界に向けて大親友みたいにして押そうと思ったん?
推しカプながら完全に謎。
この脚本の上がったタイミングはわからんけども、この映画の制作やってるだろうなって頃にはもう誰がために闘う編でこの二人ド喧嘩した後なんですよね…。あれが唯一の親密さを描いた話だと言えるんじゃなかろうか…喧嘩しとるけど。あそこで先生なんかピンときちゃった?この二人は仲良しだな、ってなっちゃったのかな?わかるよ私もそう思います(何様)。誰がため編については細かいことを語り始めると長くなるんですけど、ジェット君さえ自分の味方に立ってくれてたら、4おじさんあそこまで切れなかったんだろうな、って思う…正直なところ。
もしくは先生、この二人で描こうと思った他の友情ネタ全部さぶいちに使ったんちゃうか?(邪推)
閑話休題。
んでもってボルテックス。
ついでにガロとゾアの話もしとくけど、この二人ラスボスとして押しが弱い…。
弱ない…?私には弱い。どんな凄い人かわかりづらい…。もっとガンガン主人公側をピンチにしてよ…要塞内部も結構ガランとしとるのよ…もっとミシッと!兵士を!充満させよ!天井が高いのよ!ジェット君来れたら活躍しとったぞ!(ふと思い出したけどSWの要塞の中もああいうスケール感だよな。でっかい!っていう表現。帝国の怖さはね…それまでに十分表現してるからいいのであって、この話ではゾアたちの怖さがそこまでわからんのじゃわ…)
ボルテックスについては、今でこそいろんなSFの理論とかが自分の頭にある程度あるので作品が言いたかったことは理解できるけど、公開当時あそこの場面みんな理解してたん…?
私あの唐突にイシュメールに現れて喋り始めるジョー、めっちゃ怖いんよね。(演出として理解は出来るが)
時間空間距離を超越したハイパワー超生命としてのボルテックス(≒神的な存在)の説明足りんことない?まだRE:みたいに「神なんです」って言っちゃったほうがわかりやすいと言うか…納得は出来んがおまえがそう言うならそうなんだろうな、を通せた気もする。神、って言っちゃうと陳腐だから言いたくないみたいな気持ちもわかる。つらい。でもここにもっと尺を取るべきだったのでは?
もう「理解は出来るが受け入れづらい」のオンパレードシーン。
私の個人的な「気に入らないラスト」部分はここです。
地球に帰ってきてから、ボルテックスのおかげで004が生き返るわけですが、私ここがTV放映時にカットになったほど不評だった理由がいまいちわからんのだ…。
なにがそんなに不評なんだろう?
生身の体で生き返ったことなのか、またサイボーグにしてくれっていうハインリヒのことなのか。
ハインリヒがサイボーグにしてくれって言う理由を作品内で喋ってるのにも関わらず、見た人間が「おかしい」て思う理由がわからんのよな……。いやまぁ…蛇足と言われたらそうなんかも知れんけど、蛇足と言うならもう死なせたままにしとけって話だし、生き返らせたならあの人はサイボーグに戻ると思わん?
私はハインリヒのことを、もうサイボーグになって何年も経過しててヒルダもいないのに、仲間を置いて人間として生き直せるほど強い男だと思ってないので、あの選択は妥当も妥当でしかなくって、そういう弱さを強がりで覆ってる男として普通に受け入れていた。
そもそも、自分が作品をある程度メタ的な見方をする部分もあるから009に限らず「主要メンバーが死ぬシーンがあっても(都合として)死なないでしょ」と思っているのもあって、死ぬシーンにそこまでショックを受けていない…というのもあるかも知れない…。(おかげでトニー・スタークはショックでしたよね。余談
あのシーンで納得いかんのは、アハハハみたいに笑いながら走っているみんなの回想の推しと(そんなことするか!?)唐突に俺たちに向けてウィンクしてくる推しなんですが、ウィンクしてくる推しについては、元々ジェット君一人に向けてのものだったということが判明したので納得しましたあの同居しようぜシーンなんでカットしたんですか今でも見たいです下心です(一息)
野田ジェットと山田リヒで見たいのに見れなかった話、少なくとも2つもある。
(この同居しようぜシーンと、新ゼロの004裏切り回)
解せぬ。
つまりはよ
皆どこがそんなに不満なん…?