初めての気持ち、初めての自覚 その日の夜に輝から連絡が来た。当日は何時に集合するだとか、チケットを渡しそびれたのでその日に渡すだとか、昼間言ったように彼の兄弟子である里と、奏芽の兄弟子である燕志も来るだとか、予定を話して言った。
「では日曜日、楽しみにしてますね」
「う、うん!! お、俺も楽しみにする!!」
輝の上擦った、それでも嬉しそうな声と共に挨拶をしてから電話を切る。プールなど何年ぶりだろうか、高校では授業自体が無く、そもそもプールや海に遊びに行くような事も無かった。水着がないな、と奏芽は買いに行く予定を立てた。だが、一人でどれが似合うのかピンとこなかったため、一緒に買いに行ってくれる人に声でもかけようと思う。その相手は、鷹晴の奥さんだ。彼女ならいいアドバイスをしてくれるだろう。連絡すると、快く了承してくれた。早速明日買いに行こうとなりそのまま電話を終わらせた。
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