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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ
    よその子さんお借りしてます

    琥珀は全身汗びっしょりで勢いよく起き出した、理由は夢だ。その夢は最近見ることが少なくなったとある夢、自分の母親の夢だった。もう母親とは絶縁状態だと言うのに、こうして夢にまで出てくるとはと思わず綺麗に包帯に巻かれてある右腕を触る。というのも、巳神から薬を出してもらって以来、夢で起きるとか、女性と話しても手の震えが起きたものが幾分か減っていたからだ。いわゆる油断というものだろう。頬に伝う汗を拭い時計を見る、午前六時を少しすぎた頃だった。時間を見て少し息を吐きつつ引き出しにしまってある小袋から薬を出した時、琥珀は違和感を覚えた。
    「……ん?」
    この薬は巳神から処方されている薬だった。一日一錠、これを飲むと手の震えや動悸が治まるので巳神の言う通りにちゃんと飲んでいた。飲んでいたはずだが、薬の数が合わない気がしたのだ。思わず琥珀はカレンダーを見る、巳神から薬をもらった時必ず印を付けているのだ。印がついてある日から指で数える琥珀、やはり数が合わない。このままじゃ予定よりすぐに薬が無くなってしまう。
    「しまった……いやでもなんでだ……?」
    まさか巳神が薬の数を間違えて渡したのか? と思ったがすぐにその考えは消える。そんな医者にとって初歩的なミスをするような人には見えないような気がするのだ、もしかしたら、自分が無意識に二錠飲んでしまっていた可能性も捨てきれなかった。幸い今日は特に予定はない、とりあえず先にシャワーを浴びるかとそのまま寝室を出た。

    「さて、今日はどうされたんですか」
    昼前、診察室に入ると白衣に身を包んだ医者──巳神は椅子に腰かけこちらを見てにこりと笑う。琥珀は丸椅子に座ると口を開く。
    「巳神先生、あの……。薬の減りが早い気がしてですね、もしかしたら無意識に二錠飲んでたかもしれなくて、この薬って飲みすぎで副作用強く出るとか……ありますか」
    あわよくばついでに減っていた分含めて薬を貰えないだろうか、なんて思っていたら話を聞きながら紙に琥珀の言っていたことを書いていた巳神は琥珀の手を取る。
    「それは大変ですね! その薬は一錠飲むのを増えたぐらいでは特に強く副作用は出ませんが……。そうだ、検査してみます? さぁこちらに」
    「えっ」
    予想していなかった展開につい反応が遅れてしまったせいで診察室の中にあるベッドに座らせられそうになる。まさか検査になるとは思わず慌てて巳神の手を振り払う。
    「え、いやいや! 体は特に大丈夫ですから!」
    「いや、そうして油断してると危ないんですよ。どんな病気だって早期発見は大事ですから」
    「……まぁ……それは……」
    巳神の言葉に思わず確かに、と納得しかけている琥珀がいた。現に巳神に診てもらって女性と話してる時の手の震えやら、辛さやらが減っているのも事実。検査と言ってもそんな時間のかかるものでは無いのだろう。今日は予定もないし、このまま検査を受けるかと考えた。
    「あの、検査しようかと……」
    「そうですかそうですか! なら早速」
    この後なにやら液体の入った注射器を取り出してきた巳神と攻防をするなどこの時の琥珀は知る由もなかった。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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