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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ

    よその子さんお借りしてます

    「げっ……」
    「おや貴方も来たんですね」
    没討伐でやってきた琥珀がその場にいた巳神をみて思わず顔を歪ませた。巳神は琥珀がそんな態度を取ったのを気にもせず胡散臭い笑顔で近寄る。さりげなく巳神と距離を置きつつ没をちらりと見た、見たところ一体らしい。没はそこら辺で崩れた瓦礫を掴んでは投げつけてくる。
    「当たったら一溜りもないですね」
    「そうですねぇ」
    以前巳神とは共闘したことがあるため、また前と同じように自分が囮になればいいか、と剣を構える。没は相変わらず明後日の方向に瓦礫を投げつけていた、囮の時に投げられたら困るな、なんて考えていたら投げつけた瓦礫が巳神と琥珀の頭上を通り過ぎる。
    その時パラりと石ころが何個が落ちたかと思ったら、瓦礫が壊れて積まれていた瓦礫が崩れだした。没はこれを狙ったのか? と驚きつつ丁度巳神が立っている場所が崩れそうになり、咄嗟に琥珀は巳神の腕を思いっきり引っ張り反対方向へ投げる。琥珀もその場を離れようとしたが、拳くらいの大きさの石が丁度琥珀の額に当たりそれで皮膚が切れ血が出てしまった。
    「いっ……た……」
    琥珀は痛さにおもわず顔をしかめる、血の匂いがふわりと琥珀の鼻に入り、頭は痛みが少し響いていたがそんな事言ってられないなと剣を構え直して囮として走ろうとしたら巳神が腕を力強く掴んだ。後ろをむく前にそのまま巳神に引っ張られ没の視界を遮るように建物の路地裏へと隠れた。
    「み、巳神先生」
    「喋らないでください」
    巳神は琥珀を座らせるとそっと額をさわり傷の具合をみた。どこから持ってきたのかいつの間にか治療キットが置かれていた。いつもの胡散臭い笑顔ではなく、真剣な顔で傷を見る。頭の痛みを我慢しつつ琥珀は巳神の治療している腕を掴んだ。
    「巳神先生。治療はいいです、早く没を……」
    自分のせいで没が野放しにしている事に琥珀は焦っていた、だが琥珀の手を振り落として巳神は治療の続きをする。埒が明かないな、と琥珀は感じ巳神に言う。
    「巳神先生、本当に大丈夫です。かすり傷ですし没討伐がゆうせ……」
    「いいから黙りなさい」
    「ん、ぐっ……!」
    突然口を巳神の手で押さえつけられ身動きも取れなくなってしまった。そして押さえつけられたとき口の中に何か薬みたいなのが入り、思わず飲み込んでしまった琥珀。片手で治療する巳神は傷口にテープを貼りつつ琥珀に淡々と話した。
    「貴方さっきから頭が痛いでしょう、人の脳は軽いダメージでも大事になりますからね。没討伐優先? 没なんて後でいくらでも倒せますよ。あぁ、さっき飲ませたのは痛み止めですよ。ほら、痛みが引いてきませんか?」
    治療を終えたのか手を離してにっこりと笑いかける巳神。確かに痛みが引いてきたような気がした、いやに効き目の早い薬だな、と思いつつ琥珀は巳神に頭を下げた。
    「……すみません、ありがとうございました」
    「……二度としないでくださいね、でもまぁ……俺を庇ったせいでもありますし。すみませんね、助かりましたよ」
    二度としないでくださいね、その言葉から巳神が怒ってるようにふと感じた。元々敵同士なのに怒る必要なんてないのにな、なんて琥珀はそう思いながらゆっくりと立ち上がる。その時、没の雄叫びが響き暴れだした。
    「おやおやまぁ……相変わらずうるさいですねぇ。動けますか貴方」
    「大丈夫です、行きますか巳神先生」
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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