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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
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    ちょこ

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    エガキナ

    よその子さんお借りしてます

    悪い顔 その日は没討伐に出向いており、没は呆気なく討伐出来たのだが、没がシュレッダーゴミになる前に琥珀に何かをした。琥珀は反応が遅れて避けきれず、その攻撃が当たったと同時に没はシュレッダーゴミになって空へと舞っていった。琥珀が土埃に咳払いをしていると、すぐになにか異変に気づく。やたらと周りの建物や物が大きく見えるのだ。琥珀のマキナである剣も傍に落ちており、すぐに万年筆に戻ったが、それすらも大きく見えた。
    「……周りが大きい……?」
    「お前がちっさくなったんだよ」
    そういうと首を捕まれ誰かの手のひらにのせられた。その手のひらが皮膚ではなく、骨の手で誰の手かすぐに分かった。そして琥珀は自分の体をまじまじと見て立ち上がってみた。どうやら言う通り、自分が小さくなったようだ。骨の手の主──サクリは琥珀が小さくなったのが面白いのか、骨の手ではない右手で琥珀をつついていた。
    「おいやめろ」
    「聞こえないな」
    サクリからちょっかいをかけられつつ、琥珀はすぐに戻るのだろうかと考えていた。没は討伐したはずなので効果は続かないはず、そう考えてた時、サクリは琥珀の小さな首元に指を挟み出した。なんだろうかと琥珀はサクリの顔を見た時、一瞬だけ息が詰まった。ゾッとしたのだ、サクリの顔に。
    琥珀はサクリはヴィラン側なのをもちろん知っていたのだが、その割にはどこか優しい一面を持っていたサクリに対し、ヴィランとして見ていないところがあった。だからだろう、だからそこサクリの表情に思わずゾッとしてしまったのだ。
    そんな琥珀の反応を見てか、サクリはニヤリ、と口角をあげて琥珀に呟いた。
    「潰してやろうか?」
    ゾクリ、と琥珀は背中に悪寒を感じた。この悪寒は久しぶりだった、サクリと出会った頃を思い出す。あの時もこのような悪寒が走っていた。サクリは本気だ、そう思えて。サクリは琥珀の反応を待っているのか知らないが、挟んでいる指で琥珀の首を軽く押していた。琥珀はグッ、と唇を閉じた後、恐る恐る口を開く。
    「……潰さない、だろ」
    「……」
    そう言った時、サクリが指に力を込めた。ヒュッ、と琥珀は息が出来なく、表情を歪んでしまう。小さな手でサクリの指を叩き始めたが、体が小さいせいでいつも以上に力が入らない。ぼんやりと視界が狭くなってきた時に、サクリが言った。
    「まぁ、それにしてもお前はすぐに小さくされたりするな」
    急にそう言ったかと思いきや、指の力を緩めて首を絞めるのをやめたサクリ。琥珀は呼吸が出来るようになったが、咳を何度かしてしまった。首元に跡が残ってるかもな、と首元を優しく撫で始める。琥珀はサクリの顔を見る、先程のような背筋が凍るような表情をしていない、むしろ呆れた様子だった。
    「……結局潰さなかったな」
    サクリに聞こえないように呟いたが、恐らくバレてるだろう。首元を撫でつつ、早く体を元に戻さないと、と考えた。
    その後、琥珀を捕獲する二匹の猫が来ることはまだ知らない。
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