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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ
    よその子さんお借りしてます

    ##エガキナ
    ##すずこは
    ##認可信号組

    リップクリーム「いたっ……」
    「琥珀?」 
     創は声の方へむくと、琥珀が唇を押さえて少し不機嫌そうに眉を顰めていた。創が琥珀の唇を見ると、どうやら切れたらしく少し血が出ていた。傍らに置いてあるティッシュを少しとり、琥珀に渡す。
    「唇荒れてるなー」
    「あまり荒れたこと無かったから……痛い……」
    「舐めちゃダメだって、酷くなる。あ、そうだ!」
     そう言って創は机の引き出しをあけ、何やら小さいものを取り出すと琥珀に渡した。それはリップクリームだった、けれどそれにしては売られているものより小さいような気がする。
    「試供品貰ってそのままだったのよねー、とりあえず使ったら?」
    「あ、ありがと」
    「いいって。男でもリップクリーム持つのおかしくねーから。俺も使うし」
     ほら、と創が自分のポケットからリップクリームを見せてくれた。そう言われると創の唇はいつも綺麗な気がする、そう思いつつ琥珀は試供品を開けて塗った。
     開けた時鼻に香りが入る、特に嫌いな香りではなかったが、もう少し香りがなくて、優しい感じのがすきだが……と思ってしまう。そして、やけに色のついたリップクリームのような気がする、と思ったが試供品とはいえくれたものだ、その好意に礼をしつつ塗っていく。
    「あ……それ色つきだったのか……」
    「色つき?」
    「ほら」
     そう言って創は鏡を渡す。琥珀が見ると唇に薄く色がついてるように見えた。淡いピンクが塗られており、男であるが琥珀に違和感がなく可愛らしい印象を与えた。
    「すげぇ、色つき似合うな琥珀」
    「褒めてるのかそれ……」
     創が思わず感心して言った時、インターホンが鳴る。どうやら二人が待っている相手が来たらしい、創が出迎えに行って数分して、二人の共通の親友……琥珀にとっては恋人である鈴鹿が部屋に入ってきた。琥珀の顔を見た鈴鹿は、そのまま近寄るとそっと顎を優しく掴まれた。
    「……? 鈴鹿……?」
     琥珀が分からず鈴鹿を見た時、おもむろに唇を重ねた。いわゆるキスを琥珀にしたのだ。遅れて入ってきた創も固まったが、一番固まったのは琥珀である。
    「変な味する」
     そっと唇を離し、ぺろりと舐めた鈴鹿はそう言った。一方、鈴鹿の一連の行動に顔を真っ赤に、耳すらも真っ赤にして固まりそうになった琥珀は、なんとか言葉をだす。
    「……え、あ……それ、は……リップクリームだから、その……」
    「琥珀、これあんま好きなやつじゃないだろ」
    「え、まぁ……」
    「鈴鹿、鈴鹿! 琥珀顔真っ赤だから!」
     創が慌ててそう言ったが、鈴鹿は笑っていた。琥珀と創の反応が面白いのだろうか。その時、琥珀が恥ずかしそうに口を開く。
    「……唇、荒れてるから、キスはその……」
    「……じゃあ荒れてるの治ったらしていい?」
    「……うん」
    「……すげぇ甘い空気」
     俺もしかして空気になってる? と創は思いつつも、二人が上手くいっているのを見て嬉しそうに笑った。
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    ちょこ

    DONEよそのこさんお借りしてます
     倒された落武者を見て終わった事を察した、里は刀を仕舞うと、燕志の元へ行く。まだ後ろ姿でしか見れてないが、息が上がっているのか肩が上下ゆっくりと動いているのが分かった。里は小走りで走ると、燕志に声をかけた。
    「えーじ……」
     里の声に気づいたのか、燕志が後ろをむく。怪我をしない日はないのではと言うほど、燕志はよく怪我をする。今もこうして、腕を斬られたのか一部服が血で滲んでおり、そこだけではなく他の所も怪我をしているのが見て分かった。これは看護班の所に連れていった方がいいな、とそう思った矢先に、燕志から唐突に抱き上げられた。
    「え、えーじ下ろして……」
    「……」
    「……えーじ……」
     これが初めてではなかった、落武者との戦闘が終わっても昂っているのか分からないのだが、こうして里の事を抱き上げるのだ。里としては、自分を抱き上げるより治療しに行って欲しいのだが、強く拒絶してはいけない気がして、あまり抵抗出来ないのだ。先程のように、一応下ろしてと言ったが、降ろされたことは無い。そうしているうちに、燕志は里を抱き上げたまま歩き出した。このまま看護班の所へ行くのだろう。
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