――カチャリ、と。
それまで決して開くことのなかった、扉の錠が動く音がした。薄く外の光が差す。
一体どれほどの時間、この部屋にいたのだろう。その「命題」に煮詰まり疲れ切った、もう碌に回らない頭でぼんやりと思う。
外の仲間が救出してくれたのか、それとも時限か何かでも開くようにはなっていたのか。
…少なくとも「正解」を、聞かされた「条件」を満たして開いたのではないことは、自分が一番よく分かっていた。

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