僕のこと好き?「唯臣は、僕のことどう思ってるん。」
最近、紫夕くんがよく聞いてくる。どうしてそんなこと聞くんだろう。
僕は毎回「分からない」って言う
そしたら紫夕くんは、あっそって言う
紫夕くんは……しばらく不機嫌になる。怒らせちゃったかな、何がいけなかったのかな。奏くんや玲司くんに相談しても、やっぱり「分からない」ままだった。
でもね、遥くんに相談したら。
「お前は、紫夕のこと考えると…話してるとどんな気持ちになるんだよ。」
「うーん…気持ち……」
「………ドキドキとか、ワクワクとか…何だ、そういうのなんかあんだろ。」
「ドキドキ……って言うのかな。よく分からないけど、今まで感じたことのない何かがある。」
「好き………ってことじゃないかそれ」
「え?」
「何でもねぇよ」
「でも今…」
「何でもねぇって言ってんだろ、そもそも…なんで俺に聞くんだよ。」
「ごめんね、迷惑だったかな。」
「迷惑っつーか…もういい、あっち行く。」
「遥くん…」
好き………か、好きってなんだろう。奏くんが確か…好きには種類があるって言ってた。でもドキドキする好きって?分からない。分からないけど、もし僕が好きって言ったら紫夕くんは…喜んでくれるかな。
「なぁ唯臣………唯臣は、僕のこと好き?」
いつもはどう思ってるん、って聞くのに。
今日は少しいつもと違う質問をしてきた。好き…………好き…か。
「逆に紫夕くんは、僕のこと好き?」
「…ッ!」
紫夕くんの顔色が、いきなり変わった。だんだん…赤くなってるような、大丈夫かな。
「ねぇ紫夕くん。僕のこと好き?」
「うるっさいな!なんでもええやろ、僕の気持ちなんて。」
「でも紫夕くん、よく僕に聞くでしょ。だから僕も聞いてみようと思って。」
「…でもあんた、なんも答えてくれへんよな、いつも分からないで終わるやん。」
「僕は紫夕くんのこと好きだよ」
言ってみた、遥くんが言ってた好きが、僕にとってどういうものかは分からない。でもきっと…………間違ってはないと思う。
「ぼ、僕も。唯臣の事………………」
「え?ごめん、聞こえなかった。もう一回言ってくれる?」
「あーもー!鬱陶しいなあ!なんでもええやろ!恥ずかしいんよ…」
「恥ずかしい?どうして?」
「あーーーー゛!!」
紫夕くん、なんかいつもと様子が違う。こんなに叫ぶっけ?
「紫夕くん…だ、大丈夫………?」
「僕も、ちゃんと思ってるから、それ以上聞かんといて、てか顔近い!」
「思ってるって?好きって?」
「もうええやろ!」
紫夕くんは僕を突き飛ばして部屋から出ていった。……ここ、紫夕くんの部屋なんだけどな。
次の日、奏くんにこのことを話したら「それって超好きじゃん!恋だ!ヒュー!!ビッグニュースじゃーん!!!!良かったね鞍馬センパイ!!」って言ってた。
奏くんやっぱり声大きいね。