書きかけ放置シリーズ4「とっても可愛いですリンク!」
試着室から出たリンクはゼルダの頬を上気させた笑顔に迫られ、気乗りしないものの、その楽しそうな顔に免じて頭を掻いた。
街の一角にある可愛らしい洋服屋での出来事だ。本来ならリンクが関わり合いになることのない若い女性のための愛らしい洋服が並んでいる。その一着を着せられ、リンクはうーんと頭をひねるくらいで微々たる抗議を訴えてみたが、楽しそうにリンクの周りをくるくると回って可愛い可愛いと誉めそやすのに忙しいらしいゼルダが気付く素振りはなかった。
「どれも可愛くて困りますね。リンクは何を着ても似合ってしまいますから」
ゼルダが着るならともかく、ピンクのリボンとフリルだらけのワンピースを着た軍人などお笑い種だ。筋肉だってそれなりにはあるつもりだし、ゼルダに比べればゴツゴツとした手先の傷は隠し切れない。そう思うのに馴染みになってしまった店員まで「とてもお似合いです」なんてゼルダを調子づかせてしまうのだ。
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