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    ngkr_yk

    自由気ままに
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    ngkr_yk

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    🦁🚀。ホラーっぽい何かよくわからない話。
    ホラー苦手なので全然怖くないし何かわからない。
    書き出さないとずっと考えそうで私が怖かった。ただそれだけ。

    あなたのため千空は森の中で一人、草を集めていた。
    復興へと向かう今日、服も石化前の時代のようになりつつあるなか、人類を救うと石化の謎へと仲間と歩んだ頃の懐かしい服を身にまとい、陽が差し込んでキラキラと輝く緑に目を凝らす。
    きょろきょろと見渡し、見つけては嬉しそうに大切に摘んで腰の袋に入れた。ひとつ、またひとつと摘みながら森の奥へと進んでいく。進むにつれて陽が届かなくなり緑が暗くなる。足首で感じる空気も少しずつ冷たくなっていく気がした。暗い緑の中、キラキラとしたものが目に入り、あった!と喜びで声を上げながらしゃがんで摘もうとしたとき

    「そっちは危ないよ」

    知った声に呼ばれ、肩がぴくりと反応した。

    「帰ってきてたのか」

    迷わず振り返って返事をすれば、小さな川を挟んだ先に思った通りの人がいた。スーツ姿にマントを羽織るその姿は、森が似合うようで似合わない。

    「何をしているんだい?」
    「見りゃわかんだろ。草取ってんだ」

    千空は袋から草を取り出して、誇らしげに司に見せた。
    この草は薬になる、この草は動物には毒になる。楽しそうに嬉しそうにひとつひとつ説明する千空に司は穏やかな笑みを浮かべた。

    「うん。さすがだね」
    「だろ?薬に関しては任せやがれ」

    ありがとう。とほほ笑む司に千空は照れたように頭をかいた。

    「みんなが心配するから帰ろう」

    そう手を伸ばす司に、千空は戸惑いながら振り返り薄暗い森の奥を見つめる。
    きっとこの先にもっといいものがある。それがあればきっともっと役に立てる。仲間を守ることができる。もう少しだけと願おうと司を見れば川に入ろうとしている姿が目に入った。

    「入ってはいけません!!!」

    そう叫ぶ千空の声に司は足を止めた。もう少しで川の水に付きそうな足の裏がひんやりと冷たい。声にしたがい地面に足を戻して、もう一度、千空に声をかけた。

    「おいで。一緒に帰ろう」

    千空はいそいそと司のもとへと向かった、草を踏み、地面を踏み、陽の当たる場所にでて川へと迷わず入る。靴が濡れることも気にせず、くるぶしまで浸かりながら歩いた。

    「おかえり」

    司の目の前まで来た千空は、髪をなでる大きな手に目を細めた。

    「どんな草が取れたのか今日も聞かせてくれないかい」
    「もちろん!今日はやっと司さんにお渡ししたかったものをみつけたんです!」

    嬉しそうに大事そうに草を見せながら、高揚を隠すことなく話をする千空と並んで、司は森の外へ向かって歩いた。いつも以上に嬉しそうな声に司も自然と笑みがこぼれる。

    「嬉しいよ」

    笑みと共にこぼれた司の声に千空は驚いた顔で見上げた後、嬉しそうに悲しそうに眼を細めた。


    「おけぇり」
    「うん。ただいま」

    読みかけの本を閉じ、森から一人でてきた司を千空は迎えた。スーツに白衣、短いマントをまとった姿で先ほどまで読んでいたであろう本を片手でひらひらと振る。

    「今日はなんだって?」
    「草をくれたよ」

    司が手のひらに乗せて、千空の前に出せば興味津々で観察し始める。

    「知らねぇ植物だな」
    「君でも知らないことが?」
    「んなもん、当たり前だろ。素手で触って大丈夫なのか?」
    「さぁどうだろう。でも、彼がのせてくれたから大丈夫だと思うよ」
    「とりま、ゼノせんせにでも見せるか」

    ラボに詳しいやついるだろと、森を背に歩きだす千空に司は続いた。司が千空の隣でもらった草を大事に袋に詰めていると視線を感じて千空を見る。

    「嬉しそうだな」
    「え?」
    「口角あがってんぞ~」

    無意識だった司は口をもごもごさせて頬を戻そうとする。

    「なんで俺なのか今度聞いてきてくれねぇか。間違ってついて行きそうって苦情が出てんだわ」
    「やっと見つけたって言ってたからね。うん。もう会えないかも」
    「そいつの目的は知らねぇが、すぐ次を探しだすぞ。専門家の欲望なめんなよ」
    「そうか。うん、君の声で司さんと呼ばれるのも悪くないからまた会いたいな」
    「変な扉あけてんじゃねぇぞ、司さん」
    「おしい。もっと可愛く」
    「こっちがオリジナルなんだが?」

    笑いながら歩く二人の背中を嬉しそうに見送り、千空はまた森の中へと入っていく。
    司さんに怒られないように、司さんの役に立てるように、心配かけないように探し物を再開した。

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    Tuhou

    MAIKING現代Paro 同居 司千 僅僅只是想描寫看戀人醒來的司跟千空的眼睛
    廢文啦,哪次不是廢文ww看看之後我會不會又起肖再增加開車的部分,不然就是一直未完待續了啦(放棄自己的腦子)
    無題 同床而眠的早晨,司總是比千空早一些醒來,呈現自保心理一般,千空總是側躺蜷曲睡著,像是保護自己柔軟腹部的動物那樣,看起來柔軟又無害,司走到千空朝向的那邊,輕輕撫摸因為睡眠而變得有些凌亂的頭髮,像某種短毛犬的觸感,長髮總是違反科學般的立著,他笑了下,去給兩人準備早餐。

    難得早餐已經上桌了,千空還沒醒,司面向他席地而坐,他撫向那被床褥遮掩的半張臉「千空——」呼喊他的名字等他慢慢轉醒,因為研究三天徹夜未眠的眼睛輕顫著,緩緩打開裡頭裝的是凝滯的火燒雲,幾次眨眼意識漸漸清醒,就變得像紅寶石般,光波流轉。

    「一大清早的對心臟很不好啊。」千空不住地喃喃著手就著棉被揉了揉臉「司你這傢伙,不是看硬了吧?」被說中了的人僵了一秒,笑著說「該起床吃飯了。」千空聽著斜斜地撐起身體,被子滑落露出滿是愛痕的皮膚「抱歉,嗯,我抱你去盥洗吧。」被抱起的人咯咯笑著「這次不是公主抱啊?」他像孩童般坐在司的手臂上,整個蜷曲在戀人的胸前「千空如果想的話⋯⋯」千空突然感到失重,停下已經面朝上被攬在司懷中「你這傢伙故意的吧?」他忍不住去扯司垂落的頭髮,得到了炫目的笑容「真的對心臟很不好。」千空忍不住用揉自己臉的動作遮掩那份心悸。
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    millustacc

    MEMO続きものぽちぽち
    end point④「また来たの」
    こんな問答も何回目になるんだろう。二、三日に一回ほどのペースで龍水は羽京のところにお邪魔していた。羽京は同じ言葉を毎回龍水に言うけれどそのあとはいつも無言で招き入れる。龍水が何かしらの茶菓子を持ってくるのも当たり前のことになっていて、それを食しながら食堂で談笑するのがいつの間にか日課となっていった。
    「こんな真昼間から来てさぁ、ねぇ領主様って暇なものなの?」
    「俺は要領がいいんだ」
    「…そうだろうね」
    羽京は「それ自分で言うんだ…」と言いたげな顔で龍水を見た。
    「さぁ、今日は何を話そうか」
    最近は専ら龍水の話ばかりだった。家柄、仕事、いつも手土産を持たせてくれる執事の話…羽京に関しては「食べるのが好き」「音楽が好き」「主人の帰りを待っている」「不死身…」最初の頃に知ったことばかりで他の情報があまり得れていない。いや、この数ヶ月で分かったことも多少はあったか。屋敷に小さなダンスホールがあったからそこで羽京を誘って踊ったけれど初めての割には上手く踊れていたなとか、いつも俺が玄関でノックをする前に気付くのはなぜかと聞いたときは耳が良いのだと教えてくれたな。俺がどんな領主なのか知ったのも、屋敷まわりで野草でも取っていたのであろう住人の噂話からだったと最近になって教えてくれた。
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