兄上誕2021 誕生日と言えば、弟や叔父から祝ってもらうのが主で、それももちろん嬉しいのだけれども特別誕生日に思い入れはなかった。生まれたことに生んでくれた母親に感謝はすれども幼い頃から誕生日を特段楽しみにしてはいなかった。特に成人になってからは前の一年に成し得たことを振り返り、これからの一年をどう過ごすべきかをぼんやりと考える日、程度だった。
けれど、今年は生まれて初めて誕生日を恋人に祝ってもらうことになった。幸いなことに誕生日当日が金曜日であったために夕食を江澄ととり、その後も一緒にいられる。それだけで藍曦臣の心は浮足立ってしまう。
誕生日当日は江澄がいろいろと計画をしてくれているらしく、貴方は普段通りに仕事をし、連絡を待っていろとだけ言われた。何を計画してくれているのかそれを考えるだけでも心が暖かくなるし、わくわくとしてくるし、顔がにやけてしまう。
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