尾月原稿その後の話、である。
結果から言うと、有古は無事に菊田と番うことになった。と言うのも、あの騒動の後話を聞き付けた菊田が出張先の登別からすっ飛んできて、加害者全員を法的にボコボコにしたのである。もうそれは一人一人、慈悲の一つも残さずに。有古は終始自分にも非があったのだと主張していたが、それらは全て菊田の口で徹底的にふさがれた、らしい。そして全て済ませてから、改めて菊田は有古の項を噛んだのだ。
運命と番ったことで菊田と有古の異常なヒートは綺麗さっぱり無くなり、部署全体も以前と同じように、むしろ少し良い方向へと向かって行った。
有古の手を取ったこと、その上で今までの関係を終わらせること。それらを謝罪と共に口にして頭を下げてきた菊田を、月島は有古の前で思いっきり一発だけ殴った。菊田は随分と遠くへ吹っ飛んでいったけど何も文句は言わなかったし、有古もじっと月島のことを見つめていた。
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