高潔の血花と氷の棺【ゼロエリ師弟】その日は平和の一日だった。
この前王都に行く時、シバの女王と軍団の皆の好意により頂いた大量な食料がやっと底についたので、朝食後の稽古を終え、久々に二人で山を下りた。
今では幻獣による被害もかなり減り、色んな商品の流通は良くなったと麓に住む方々が教えてくれた。
なのでこのあたりにない肉や茶っぱ、以前バレンタインの時期くらいしか見かけないチョコレートタルトも、いつでも買えるようになった。
懸命に生き、努力を惜しまないこの世界の住人たちはやっと異世界の存在に怯えることなく、自分の力で未来を切り拓けるようになった。
怠らない限り、この世界はこれからきっともっと良くなっていくのだろう。
あれこれ物色してたら、家に戻った時すっかり暗くなってしまった。
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