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    shionagi_xxx

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    えっちなことする侑日

    ホワイトデー(遅刻)/侑日

     バレンタインは、ふたりでケーキ屋さんにチョコタルトを買いに行った。普段は甘いものを極力避けているけれど、俺も侑さんもチョコレートは好きだから、美味しいねって笑いながらふたりきりの部屋でゆったりと過ごした。
     ホワイトデーの今日はなにをしようかとしばらく相談していたけれど、甘いものの贅沢の次はガッツリした贅沢をしたいという話になって、ちょっとお高めのお肉を買ってきての焼肉パーティーだ。せっかくの機会だからとホットプレートも買って、北さんのお米と一緒に美味しく頂いた。
     そうして大満足の食事を終えたあと、ダイニングテーブルでお茶を啜ってゆっくりしている最中、ちょっと待っててと侑さんが席を立った。今日一日なにかを言いたげにしていることには気づいていたから、俺は慌てず騒がず大人しく待つ。部屋があんまり焼肉臭いから、消臭剤を持ってこなきゃいけないなってぼんやりと考えていた。
    「翔陽くん」
     戻ってきた侑さんが、テーブルの上にことりと置いたのはふたつの小瓶。なんだろうと手にとって眺めて、それからぎょっとして侑さんを見上げた。
     侑さんは椅子にも座らないで、少し気まずげで、だけどどこか期待してる様子でそわそわとしながら俺の反応を待っている。
    「侑さん、これ……」
    「おん、媚薬や」
     キリッと答えて、それ以上は取り繕えなかったのだろう。侑さんは途端にわくわくとした顔になって、テンションも高く捲し立てた。
    「ホワイトデーなにしよかなあって考えてる時に見っけてな、実際に効果あんのかは知らんけど気になるやん? 物は試しや思って買ってもうて……あっ、成分表ちゃんと見て、栄養士のおばちゃんにも確認してもらったから危ないことはないで。翔陽くん、アレルギーとかないよな?」
     一気になだれ込んだ情報に、俺は唖然と口を開けていた。いくら年配の方とはいえ、女性にそんなことを聞くのはセクハラなんじゃないだろうかとか、他人にそんなことを聞けるなんて、この人に羞恥心はないんだろうかとか、いろんな感情が湧いて出たのだ。
     言葉もない俺に、侑さんはへにょりと眉を下げる。甘えるような顔をして、パンと両手を顔の前で合わせた。
    「な、な、お願い。精力剤ぐらいの効果しかないやろけど、媚薬でえっちになる翔陽くん見てみたいんやもん。ちょこっと試してみぃひん?」
     せっかくの殊勝な態度も、とんでもなくくだらない下劣な言葉で台無しだ。
     すけべなことを覚えたての中学生みたいな好奇心がおかしくて、その子どもっぽさについ笑ってしまいそうになる。それをどうにか咳払いで誤魔化して、俺はわざと悲しそうな顔をした。
    「……普段のじゃ、物足りないですか?」
    「っそんなこと!」
    「ふふ、嘘ですよ」
     侑さんがあんまり必死な顔をするから、意地悪もすぐにできなくなってしまう。俺は頬を緩めて立ち上がって、ぽかんと呆気にとられている侑さんにそっと寄り添う。それから踵を持ち上げて、侑さんの耳にこそこそと打ち明けた。
    「……俺も、興味あります」
     たちまちに侑さんは頬を赤らめて、嬉しそうにはにかんだ。翔陽くんのえっち、なんて、こんなものを買ってきた人が言えることじゃない。
     俺たちは手を繋いで寝室に入って、向き合って小瓶の蓋を開けては匂いやら見た目やらに逐一コメントをして、一緒に飲み干した後は食レポまで始める始末だった。キスをすればふたりの唇は油っぽくて、焼肉臭さにけらけらと笑って。
     そんな艶っぽさとはかけ離れたありさまで、それでもその日は普段以上に盛り上がったように思う。それはたぶん、媚薬の効果というより、俺たちがまだまだすけべなことに興味津々の男の子だったから。
     要するに、ホワイトデーも俺たちはラブラブだっという話。
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    shionagi_xxx

    DONEえっちなことする侑日ホワイトデー(遅刻)/侑日

     バレンタインは、ふたりでケーキ屋さんにチョコタルトを買いに行った。普段は甘いものを極力避けているけれど、俺も侑さんもチョコレートは好きだから、美味しいねって笑いながらふたりきりの部屋でゆったりと過ごした。
     ホワイトデーの今日はなにをしようかとしばらく相談していたけれど、甘いものの贅沢の次はガッツリした贅沢をしたいという話になって、ちょっとお高めのお肉を買ってきての焼肉パーティーだ。せっかくの機会だからとホットプレートも買って、北さんのお米と一緒に美味しく頂いた。
     そうして大満足の食事を終えたあと、ダイニングテーブルでお茶を啜ってゆっくりしている最中、ちょっと待っててと侑さんが席を立った。今日一日なにかを言いたげにしていることには気づいていたから、俺は慌てず騒がず大人しく待つ。部屋があんまり焼肉臭いから、消臭剤を持ってこなきゃいけないなってぼんやりと考えていた。
    「翔陽くん」
     戻ってきた侑さんが、テーブルの上にことりと置いたのはふたつの小瓶。なんだろうと手にとって眺めて、それからぎょっとして侑さんを見上げた。
     侑さんは椅子にも座らないで、少し気まず 1562

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