誕生日ネタ「ねぇ」
「は?」
「18日から誕生日まで暇な日はねぇ」
「…なんの予定があんだよ…」
「てめぇには関係ねぇだろ」
「人がせっかく祝ってやるって言ってんだから、断るなら予定ぐらい言えよ」
「…はぁ。18日は幸の荷物持ちで、19日は臣さんとでかける。んで…」
18日から27日までの予定を1つ残らず丁寧に兵頭の口から伝えられていく。学校などの予定もあるが、基本的に劇団員の名前が多くでてくるため、俺がもたもたしている間にだいたいの劇団員に先を越されたのだ。
「これで満足か?」
「…………誕生日過ぎてからでもいいから祝わせろ」
「無理して祝わなくていい。摂津に祝われる理由がねぇ」
「はぁ?無理は、してねぇ…よ。……俺が祝いたいんだから祝わせろ」
「……そうか。なら、仕方がねぇから祝わせてやるよ」
フッと笑いながら上から目線で言われているのに腹が立つよりも俺に向けるには珍しい笑みを向けられたことに心臓が高鳴る。ああ、これが惚れた弱みか。気付きたくもなかった自分の気持ち気づいてしまった代償か。
「……楽しみに待っときやがれ、兵頭!」
自分の気持ちを覆い隠していつものように喧嘩を売ってやる。