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    kirche_is_dcst

    @kirche_is_dcst

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    千ゲ生産業。左右相手完全固定。千左固定。カプ固定だけど主人公総攻めの民なので千は全宇宙抱けるとは思ってる。逆はアレルギーなので自衛。
    基本フェチ強めのラブイチャ。ワンクッション置いてるけど時々カオスなものも飛び出します。
    受けの先天性・後天性にょた、にょたゆり、パラレル、年齢操作やWパロもあり。みさくら、♡喘ぎ多め。たまにゲがかわいそうなことに。(要注意案件はキャプションに書いてます)
    最近小説AIと遊んでます。
    一時期特殊性癖チャレンジをしてた関係で触手とかなんか色々アレなやつもあります。

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    kirche_is_dcst

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    お友達の誕プレ乙五!
    お誕生日おめでとう!!!
    しかしこれは乙五……なのか……?

    希求「 日頃のお疲れ様会ってコトで、今日は皆んなで回らないお寿司とか行っちゃう?」
    あ、もちろん僕の奢りで。
    唐突なハイテンションでそう告げた先生に連れられて、二年の皆で食事に行くことになった。着いた先は、今まで足を踏み入れたこともないような……一言で言えば『高級(たか)そうな』店だった。座敷に通されて、おずおずと周囲を見渡しながら席に着いた。
    「 そんな固くならなくても、みんな一緒なんだし。リラックスリラックス♪」
    そう言って、大きなしろい手がぽんぽん、と背を叩く。
    ようやくひと心地付くと、お茶とお澪付けがそれぞれの席に配膳された。
    「 今日はそのバカ目隠しの奢りだ。ビビってねぇで破産させてやるつもりでガンガン食え」
    「 真希さん……」
    容赦のない言葉に曖昧な笑みを返す。いつでもどこでも彼女は揺るがなくて、おかげでまだ少し場違い感に呑まれていた気持ちが落ち着いた。
    彼女は言葉通り、品書きに目を通すと、ここからここまで全部、と短く告げて茶を啜り始める。あとのふたりも、それに倣った。
    流石に高級料亭では給仕も余計な詮索はしないのか、奥に陣取ったパンダについての言及がなかったことに、変に感心してしまう。
     茶碗蒸しをはふはふと口に含むと、やさしい味が口腔を満たした。
    続いて運ばれてきた、テーブルいっぱいのお寿司をみんなでペロリと平らげて、個室なのをいいことにごろんと横たわった。
    先生と友達と、美味しいものをたくさん食べて、お腹がいっぱいで。
    ふわふわとしあわせな気持ちになる。

     ─── 一人は寂しいよ?
    かつてそう言って、手を差し伸べてくれたひとのおかげで、今こうしていられる。
    そのことに、感謝しない日などなかった。
    本人に言っても、きっと茶化していつものように煙に巻くだけなのだろうけど。
    ちらりと視線を投げると、そのひとは上機嫌で食後の甘味を頬張っていて。
    あれだけ食べたあとにどこに入るのだろうと思ったが、なんだか普段より幼く見えて、微笑ましかった。

     思う存分食べて、騒いで。
    会計を済ませたあと、並べられた靴を見て、ふと、その大きさの違いが目につく。
    それがそのまま、呪術師として歩いてきた道のりの違いのように思えてきて。
    大きいなあ、とちいさくひとりごちた。
    歩んできた道。抱えてきたもの。
    きっとその差は一生かけても埋まるものではないのだろうけど。
    道を示してくれたそのひとに、居場所をくれたみんなに。少しずつでも追いついて、何かを返したい。
    だから、強くなりたい。
    そう思った。

     それからは、ひたすら研鑽の日々。
    里香を解呪したことで、一旦特級から四級へと降格となり、特級に復帰するまでの間、繰り返し体術から呪具の扱い、呪力のコントロールを始めとする様々なことを学んだ。
     ……そうして、再び特級と刻印された学生証を受け取った時、ふとあの百鬼夜行の日のことを思い出した。
    呪霊による児童失踪事件を調査すべく向かった小学校で、いつのまにか紛失していた学生証。それを手渡してくれた際、五条が口にした言葉。
    『 いや、僕じゃない。
     僕の親友だよ。たった一人のね』
    あまりに何気なく言われたものだから、その時は気に留めなかった。ふうん、と思った程度だった。……親友、という存在にこれまで縁がなかったから、うまく想像がつかなかったのかもしれない。
     それからだいぶ経って、それが誰を指す言葉なのかを知った。
    そしてその亡骸を利用し、暗躍する羂索という存在を。
    たった一人の、親友。
    友人であり仲間であるクラスメイトたちでさえ、これほどまで大切なのに。
    彼にとってその価値はいかほどか、想像することさえできなかった。
    けれど、呪術高専でいわゆる一強である五条は、獄門疆から解放されるや、必ず羂索との対決を余儀なくされるだろう。
    ……そんなことはさせられない。
    先生に、二度も親友を殺させない。
    可哀想とか辛いだろうとか、先生を救いたいなんてそんな綺麗で傲慢な理由ではなくて、ただシンプルに。
    「 ……僕が嫌なんだ」
    同情でもなんでもなく、これは僕のエゴ。
    だから。
    敵の首魁、羂索は僕が殺す。
    そう決意して、一歩踏み出した。
    その気持ちの所以は、今はまだわからない。

     けれど。
    全てが終わって帰ってきたら、あの日のように。
    ……今度は、僕があなたに『おかえり』を言いますね。
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