心配性の王子様『あ〜あ今日で部活暫く休みかァテスト週間だからって自主練も禁止なんて』
だからって立てなくなるまで走り回ることねえだろ、と嗜めると回された手にキュッと力が入り、ごめん、どうしても完成させたい技があったからと言う。何も本気で怒っているわけじゃない、ただ心配しているだけだってことは勝己も解っているだろうに、
『どうした、今日は元気ないな?』
そんなことねェし!それよりもう歩けるから降ろしてという幼馴染にこのまま家まで送ってやるよと言うと、
『今日はこれから図書館で勉強するんだ。チームの奴らに数学教える、うちの部活は赤点取る奴が1人でもいたら試合に出場できねェから仕方なしだ』
そうか、それなら仕方ないな、なんて笑って言ってやれるほど俺は心が広くない。奴らって何人だ?何時まで掛かるんだ?
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