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    鷲山ぴよ

    @wak008z6
    えっちな冥府三兄弟やオウミラやら倫理観皆無の小話やらを放ってます。

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    鷲山ぴよ

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    ママはパパにガチ惚れだったと思います。じゃなきゃ3人も子供産まないだろー。その前にセルフアボンしてるだろ。

    パパにガチ惚れなママ上と、兄者の小話「死刑!しけーーーーーい!そのものを捕らえるのです!捕らえろー!」
    美しい眉尻を吊り上げ、琥珀色の瞳孔を小さくした母は、肩を怒らせ、縮こまり許しをこう民を激しく指差しながら喚いていた。
    こんなにヒステリックな母を、この時私は初めて見た。
    いつも非常に穏やかで、愛情溢れて、優しく私とデスパーを抱きしめていた母から、このような激情を感じたことはなかった。
    「お、王妃様!お許しください、どうか、どうか!」
    「黙りなさい!絶対に許しませぬ!サトゥン様の!私の夫への侮辱は絶対に許しませぬ!そこの兵士、早うこの者を捕えなさい!」
    街に、降りていたところだった。
    「デスハー、貴方はサトゥン様の後を継いでこの冥府を治める神の子です。街に降りて、様子を見ましょう。お父上の様に上手にできるように、今からお勉強しておきましょうね」
    そう言って、私を街に連れ出した母は、聞いてしまった。
    民が父を「人の心を持たぬ化け物、何が神か。神は神でも死神だ」と言っているのを。
    瞬時に激昂した母は、護衛につけていた兵士に命じ、言葉を吐いてしまった男を捕らえさせた。
    「そうだわ、今ここで首を刎ねてしまいましょう。お土産に、サトゥン様に持っていけばきっと喜んでくださるわ」
    「は、母上!」
    男の首を父に捧げる様を想像したのか、母はうっとりと頬を染めて微笑み、兵士に首を刎ねる様に命じたところで、慌てて止めに入った。
    「お、お願いします母上!やめてください、見たところこの男は恰幅がいい。
    力仕事に回す奴隷にしましょう!ちょうど城の補修の人員が足りなかったところです。ね、母上、お願いします」
    この頃私はすでに母の身長を越していたが、その場に這いつくばって乞うた。
    この男が間違っているとは到底思えなかった。いや、間違っていない。
    間違っていない男に、罰を課すことはできない。
    「お、王子…」
    「しっ!黙れ!」
    何かを言おうとする男を小声で諌めると、そのまま続けて母に乞う。
    「母上、デスハーのお願いを、サトゥンの子、神の子である私のお願いを、どうぞお聞き叶え下さい」
    「まあデスハー、なんて優しい子なの」
    私の顔を上げさせた母は、ゆっくりと頬に口付け、つくばっていた手を取り立たせた。
    「わかりました。神の子のお願いは聞きませぬとね。ああ、私のデスハー。
    神の子。サトゥン様の御子…」
    ゆっくりと、母は私の額に口づけを落とすと、兵士に言った。
    「連れて行きなさい、奴隷房に。そこな者、私の慈悲深い息子に、神の子に感謝するのです。
    皆の者!」
    母は、一部始終をその眼に恐怖と畏怖を浮かべながら見ている民を見回し、声を張り上げた。
    「良いですか、この国の王、冥府のサトゥン王を侮辱するものはこの私が絶対に許しませぬ!その事を、よく、よぅく覚えておくのです!この王妃のいうことを、よく覚えておくのです!」
    言い終えた母は、瞬時に元の優しい母に戻った。
    「さあ、デスハー、びっくりさせてしまってごめんなさいね。そうだわ、お詫びにお菓子を買ってあげましょう。貴方、甘いものが大好きですものね」
    やはり一部始終を見ていた菓子屋の店主は、震えながら一等大きいケーキをタダで寄越した。
    「まあ、なんて優しい店主なのかしら。私とデスハーに贈り物だなんて」
    わかっているのかいないのか、母は呑気に、しかし嬉しそうにケーキを受け取ると、私の手を引いて城へと踵を返したのであった。

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