Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    marukagisippo

    @marukagisippo オクトラ大陸の覇者用

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 17

    marukagisippo

    ☆quiet follow

    サザントスという男を考える編:何もないし選ばれなかった男の話

     ★ここで言う「かわいい」には様々なニュアンスが含まれています

     「強き者だけが理想を叶えられるーーそれが、世の理と言うものだ」が権力の男発言過ぎる。
     サザントスさん、名声男性じゃなくて権力男性なのがもうはちゃめちゃにしっくりくる。バランス感覚が神ですよ。

     サザントスさんと初めて会話した時はお、なんかストイックそうで礼儀正しい見た目が良い男が来たなと思ったけど、その後のシナリオでは基本高圧的なのが面白かった。「すまんが耳が遠くてな」を初見で聞いた人が羨ましいです。

     私には人は育てられたように育つという考えがあるので、サザントスさんが高圧的なのは暗部の教育の影響なんじゃないかなという気持ちがある。子供のサザントスを囲っていた人間達、サザントスを慈しんでのびのびと育てたとは到底思えない。でもたとえifの世界線のサザントスさんの育ちが柔らかい物だったとしても、生まれついての高圧的な部分が残っていて欲しい。サザントスと言う男の魅力ですよ。
     少なくとも、権力男性であること、力のある勝者が正義であり、正義をなすためには悪を上回る力が必要だという考えが強固なのは暗部の教育の影響だよね。サザントスさんを産みだした理由がまさにそれだもんね。


    最後の手記のところ、読み返してみたら権力名声富の三欲三点盛なんですね。
     ・強き者だけが理想を~(権力)
     ・自らが守った世界から居場所を失う事で絶望する(名声)
     ・あわよくば聖火神の指輪が欲しい(富)
    可愛い男だねサザントスさんは。


     自らが守った世界から居場所を失う事で絶望するって、まぁサザントスさんが選ばれし者にした事ではあるんですが、逆に言うとサザントスさんはそれをされると・されたから絶望…ってこと?
     サザントスさんが居場所を失う場面と言えば、今まで自分を養育していた一部教会組織が実はとんでもない悪だったことを知ったところだと思うんですが、あたかも母を想う義憤が前面に出ているけれど、その内側でサザントスさん自身もめちゃくちゃ傷付いてるじゃん…。教会暗部には養親も含まれていると推測できますが、教皇に自ら進言して焼きに行ってるしめちゃくちゃ凄惨な生い立ちしてるよ…。
     手記の中で突然ガチな本心がポロリするのかわいいな。可愛すぎるので居場所とアイデンティティが崩壊したサザントスさんの話は後述します。

     あとここの手記では、サザントスさんが選ばれし者に対してクソデカ感情を抱いていたことが垣間見えてめちゃくちゃ嬉しくなってしまいました。選ばれし者にも絶望してほしかったの?♡すっごくかわいい発言だよ♡
     真面目な話をすると、この絶望してほしい発言の時にうっすら思ったのは、サザントスさんは自他境界が曖昧というか歪んでる部分があるんじゃないかな、と思った。手記の中で、自分と選ばれし者は近い存在かもしれない、みたいな事を言った後に「そんな選ばれし者に”同じ”絶望を与えるため」が繋がるのは、かなりサザントスさん自身と選ばれし者の同一視がないか?と思う。私には、自分と同じ存在になって欲しい、もしくは同じ存在であってしかるべき、という発言に思えてしょうがない。

     それを踏まえると理想郷の描写がより腑に落ちて。サザントスさんが作った理想郷はあったかい世界だったじゃないですか。欲が無い世界はイコール暖かい世界ではないんですよ。人々が助け合いリスペクトしあうのは別に欲がうんぬんは関係ないよね。欲(邪悪)が無くなった世界の客観的なシミュレートじゃなくて、サザントスさんの”理想”がとことん前面に出てるよね。それを理想郷世界の住人全員に押し付けるのはまぁ他人と自分の境界が曖昧ですよ。かわいいね。

     自他境界の薄さが生むのは不寛容さだよね。欲望の強い人間を見た時に、まぁそういう人もいるわな、で済ませられないもんね。それに助けた相手が自分の想定していた反応じゃなかったらもやもやゲージが溜まってしまうね。(※)逆に言うとサザントスさんがどれだけの美しい心を持っているのか、という話にもつながりますね。ところで、サザントスさんが選ばれし者の心を”青く”美しいって表現するの、彼の中のくすぶる聖火を感じてとてもいいですね。

    (※ サザントスさんの手紙にあるもやもや三点ポイント(エバーホルドの女・エドラス親子・自分の母親)、共通しているのは欲によって家族の形がないがしろにされているというところなので、サザントスさんの地雷ポイントが”家族の絆を損なう行為”である、という可能性もあるけど)

     ただこれも育てられた環境が大きく影を落としているのかもしれない。サザントスさんが生まれてから受けてきた教育そのものが「聖火守指長・大陸の覇者になるべし」から始まる押し付けなので。自我の薄い頃から押し付けられてきて、大人たちの思想と同化させられてきたわけじゃないですか。
     彼の不寛容さが自分が受けてきた教育による副作用的なものであるならば、翻って、サザントスさんがこれまでどれだけ抑圧されて来たかにもなりますよね。人に言われるがままに成長して、欲に侵されるまで自分自身の願いは無かったとも語っているしね。まぁ感情が呼び起こされた後も抱いた願いは母の願いなんだけどね。

     絶対サザントスさんの幼少期がまともなわけないんだよな。
     ロンドに向けての語彙が子供・赤子扱いするものが多いサザントスさんですが、彼の中で未熟者=子供のイメージが強くある気がする。まぁ単にロンド君のイメージが出会った時のちいこロンドのままで止まってる、という事も考えられますが。
     高圧的な人格の事もそうだけど、幼少の頃から厳しい教育を受けてきたんだろうなと思わず推測してしまう。子供として許されるような時間は一切なかったんだろうなと。さっさと使える大人になりなさいみたいな。
     サザントスさんの年齢が何歳かまだ不明ですけど、13歳ロンドくんを助けた時、サザントスさんも恐らくまだ若かったでしょう。あの時すでに聖火守指長の服を着ていたけれど、もう守指長継いでたの?守指長サザントスを仕上げるためにスパルタ教育されて、自らが庇護される時期もないまま、誰かを庇護する側に回っていたの?
     うーん、もうとにかくろくな成育歴じゃなさそうなのがひしひしと感じられるじゃないですか。でも公式はサザントスさんの幼少期を明かしてくれないのでこれは私の妄言にしか過ぎないです。出せ!ショタントスを!!



     はぁ~それにしてもサザントスさんの中に突如あふれ出す濁流のような感情、マジでえっちですよね。無垢な神官に媚薬を盛るようなえっちさがある。
     黒呪炎による様々な感情に襲われた時、思うのが義憤なんですよね。なんて清廉な男なんだ。

     世界を創造できるような神の力を得た時、やる事が例えば時間を戻して母親を解放するとかじゃないのがすごい。いやそういう高潔的な問題ではなくて、自分の出生を否定する事にもなり自身の存在が消えるからしなかった説は確かにそうだけれども。でもすごいよ。
     サザントスさんってめちゃくちゃ人格者じゃないか?高圧的権力男性だけど。
     守指長に相応しい価値観の刷り込みがあっただろうにしても、やっぱり咄嗟の感情・反応はその人の魂が出ると思う。何かを思いやる時、思いやりのない人はその事を思いつきもしないものだから。枢機卿みてるか、これがファラメの息子だよ。ただちょっと内心でクズをクズ呼ばわりしちゃうけど。秩序側の人間が心の中は苛烈なの私はめちゃくちゃ好きだ。理想郷の描写とサザントスさんの思う”これが全てだ”のこと、私は本当に否定するところないんだよな。やっぱり聖火に選ばれるだけはあるよ。

     サザントスさんの理想、人類の理想じゃなくてサザントスさんの個人的な理想の押し付けだと想定すると、聖火守指長として孤独な戦いを続けてきたサザントスさん本人の思う安らぎの形がアレなんじゃないかとしたら、本当に本当にかなしい。
     家族で穏やかに過ごすのがサザントスさんの理想のひとつだとしたら、一緒に旅をしていたクロフォード家の人を記憶を消して解放したのも分かる。分かるっていうか、マジであの時のサザントスさんどんな気持ちだったの?メンタルが聖人過ぎるだろ。相方は理想の世界に送り出すけど、自分は一人で迷いながら戦いを続けるんでしょ?マジでなんなの?心が美し過ぎる。

     家族愛を大事にしているのであれば、推定兄弟のシグナが自分に好意を抱いていた件もまぁまぁ致命傷な気がする。
     でもサザントスさんもシグナちゃんの目の前でロンドに対しておいでおいでしてるし、どっちもどっちだよ。自分だけ我慢させられるシグナちゃんもそれはそれで可哀想だと思う。
     そういえばサザントスさんってシグナちゃんの事あんまり目を向けてあげてないよね。推定妹or姉だよね?ちなみに私はシグナ妹派です。

     サザントスさんの家族渇望度ってどうなんだろう。母親の事は深く想ってるけど、推定兄弟のシグナに対しては冷たいよな。やっぱり血のつながりがあるわけではないのかな。でもそうだとすると、サザントスさんが踏みつけにした人って誰なんだ?になる。
     サザントスさんの事、分からなことが多すぎる。


     欲が無く感情も薄いというのが正確にはどういう状況なんだ?
     元々たまたまそういう性質の人間だったの?私は教会暗部の人たちが理想の聖火守指長を産みだす為に、欲望に溺れないようにとした抑圧とコントロールの末に感情がほとんど育たなかったんじゃないかと思っています。(私は大陸の覇者しか知らないからこう思うけど、1.2プレイした方々は別の見方をしてる人がちらほらいらっしゃるので、超常的なマインドコントロールの方なんだろうか。サザントスさんも炎で人の記憶消したりしてるし)

     でも成長過程での”褒め”とかも、自己承認欲求に繋がると言えば繋がるし、もしかしてそういうのも全部排除してきたとかないよね?愛情も喜びも何も与えられなかったなんてことないよね?サザントスさんが黒呪炎を浴びた事によって心の空白が埋まったという事は、逆に黒呪炎の性質であろう「黒い感情や欲望」以外の物は一応備わっていたという事?でも「感情が呼び起こされた」って表現するほどに彼の感情が乏しい状態であったのであれば、そういうのも無かったって事?ィ~~~~!!!なんなんだよ~~!!!酷い仕打ち過ぎるだろ~~~!!!

     例えば攫われた人が家族と再会して抱き合って涙するみたいな光景を見たとして、サザントスさんはそれをどう思ってきたの?自分もああいうのが欲しい、とはならなかったの?自分の人生は聖火守指長としての役割を全うするためだけにあると思って、そうしたものと自分は関係ないと線を引いてたりしてたの?サザントスさんの幸せはどこにあるの?
     でも、自分が愛されたいとか、逆に誰かを愛したいという気持ちがストーリーの中の彼から一切感じられないのがなんか…こう……サザントスさんを理解するうえですごく大事な事のような気がする。愛を知らないサザントスさん概念はキーワードかもしれん。

     サザントスさんのこのあたりの話は、爆裂妄想オタク的にはあまり詰めない方が自由度高くて良い予感がありますね。確定してなければ…無限の可能性と世界線……!!



     選ばれし者の行動を突き動かすものは「欲」って言うのに、自分の物はしれっと「願い」って言ってるの本当に好き。
     聖火守指長サザントスは青い炎はすべての者に光と希望を授けるためのもの、と認識しているけれど、そもそもサザントスさんは欲と希望・願いの境目をどう思っているのだろう。サザントスさんに反論できるとしたらここだよな。欲と願いをどう区別するのか。
     そしてサザントスさんもきっとその答えは持っていて、選ばれし者の欲を黒き願いと言い換えているように、互いの概念に本当は境目なんてない事を分かってる節があるんだよな。ここを突き詰めると、自己矛盾に陥って先に進めなくなっちゃうからある程度自分に都合のいい事を考えてるか、逆に全く考えないようにしてるかだけど。


     サザントスさんが憎しみを抱いた矛盾に溢れた世界、矛盾ってそもそも何を指しての矛盾なんだろうね。
     一つは教会関係ではなかろうかと思います、正義をなす聖火の一面と、母を汚した教会の暗部の一面。
     もう一つは”希望”とはなんなのかの、自分と人類の認識の矛盾でしょうか。具体的に言うと、聖火教会の掲げる希望と、灯火の人たちが代表して言ってる希望、同じ言葉ですが清廉さ度に違いがあるような気がする。後者の方は清濁混ざった意味合いだけど、前者のサザントスさんが思ってきた教会の掲げてそうな希望はどこまでも清くて美しいものでありそう。汚い川の方が栄養あるみたいな、人類がそっちの方を望んでいるならそりゃ一生平行線だし、清らかな希望を抱いているサザントスさんにしてみれば欲を消さなきゃになるよ。清浄な川で育てられたサザントスさん概念だ。かわいい。その川から出すな。

     それにしてもまたサザントスさんと灯火ズ達の噛み合わないポイントを言語化してしまった。もっと話し合ってすり合わせをしてくれ。噛み合わない会話をするたびにサザントスさんの憎しみが増しちゃうでしょ。
     というかサザントスさんの”希望”と同義語の希望を分かっていそうな教会男性のロンド君が音頭をとって、灯火の人たちと互いの主張の折衷案を探るべきではなかったのか?サザントスしか目に入ってなさ過ぎますね。この甘ったれめ♡甘ったれてるうちにサザントスさんは手の届かないところへ行ってしまいましたぞ♡記憶が戻った時には全て終わっていた時のロンド君のお気持ちを想像するだけでテンション上がる。なんとかできる立ち位置にいたのになんとかできなかったねぇ♡大陸の覇者のこういうところがたまんねぇぜ。


     アートブックにしか(多分)無い神界サザントスさんの絵ほんとうに好き。目の表情がたまらなくいい。軽蔑や諦め、不退転的な覚悟の強さもにじみ出て、どこか慈悲深さと悲しみも感じる。様々な感情を内包しながらも人外らしい無機質さもある。
     そしてカジュアルに雑な言葉で言うと自分のなそうとしている事をやりたくなさも感じる。これは躊躇というよりも、内心ではもう人間は救いがたくてどうしようもないと思っているけど、欲を消したらまぁ、どうにもならない人間でもなんとかならんか…?という感じと言うか。一思いに滅ぼしたい気持ちと、母が自分に望んだように人間達でも救ってやらねば…という気持ちが無意識化でせめぎ合ってるというか…。
     実際の所、サザントスさんは本当はどういう気持ちだったんだ?自分の感情のままに、と言いながらも、母の願いや存在を肯定することを優先して、結局母というものに縛られているよね。


     母親に対する非常に強い思慕の気持ちも、どうしてあんなに強い気持ちなのかが謎ですよね。それだけサザントスさんが慈しみ深い、愛情深いということなんだろうか。でもそれだけだと推定兄弟のシグナに対する態度と矛盾する気がする。私はこれも多分幼少期の何かが悪さをしているというか、くすぶってる気がするんですよね。オルサザントス撃破後の死にたくないという独白のシーン、母への呼びかけが母さん、や母上、とかじゃなくてママという非常に幼い表現が使われている事をどうしてなのかずっと考えています。

    ( これは自分語りですが、私がサザントスさんの事を本格的に気になりだしたのがここでした。これまで尊大で言葉遣いも大人っぽい権力成人男性だった彼が、急にママとか言い出したので心が良い意味でも悪い意味でもマジで乱れました。仕事も手につかないほど頭がいっぱいになって、あれはサザントスという男の慟哭なんだと私なりに結論付けた時に脳が破壊され沼に落ちました。その後も手紙や手記を読んでまた印象が変わったりもしましたが、この感情体験ができただけでも大陸の覇者やっててよかったなと思っています。)

     母親の話になったので、後述すると言った居場所をなくしたサザントスの話をします。

     サザントスさんが守灰文書の事を知った時、そこで発生したのは母への思慕だけではないはずなんですよ。この場面で得られたのは、「酷い事をされていた母の事を知る+その酷い事を行っていたのは自分を育成していたところだった事実を知る」であり、もっと言うならば「自分を育てていた親は養親(偽物)だったし、自分の将来を示し信念を作り上げた(押し付けた)教会関係者は悍ましく欲深い者達で、生まれ育った場所も自分が行動基準にしてきた芯の部分も全部、自分がこれまで青き炎で焼き尽くしてきたの同じ”邪悪”からもたらされた」という事を浴びせられたわけですよね。
     アイデンティティが大爆発して更地になってますよ。
     何にもなくなっちゃった男に全てを授けし者をやらすんじゃないよ。

     それにしても真実を知って暗部を焼いた後も、悩みながらだけど聖火守指長を続けてたの本当に凄いよな。でも自分の命はこのためにある、って、それ以外に生き方を、せめて母の奪われた人生を肯定する以外に自分が何をしたいかという望みを知らないからだろうからすごく悲しいな。


     ファラメへの所業は一旦おいといて考えると、サザントスさんにとってあの暗部とは、守灰文書の事を知るまでは良好な関係でしたよね。推定枢機卿に綺麗におじぎをするサザントスさん、あの時点では何の憂いも感じられない。
     サザントスさんも大人しく言われることに従っているし。きっと大枠は普通の聖火教会と同じお題目を掲げていたんでしょうね。教会で生まれ育っただろうサザントスさんにとっては、確かに彼の精神的な拠り所であったんだと思います。

     どうして居場所がなくなったかというと、居場所だったところが母に無体をしていたからで、その事を起点とした負の感情を言葉にするとどうしても「母が欲に汚された事」になってしまうんですよね。「母が欲に汚された事」に対応する負の感情は”怒り”であって、「自分の居場所がなくなった事」への”喪失感や絶望、アイデンティティの動揺”という感情の存在は、彼の中での感情の整合性を取るにあたって余計なものですよね。そして何より、感情が薄い彼には細かい機微を内省できる感情経験値が無かったかもしれません。
     自分の拠り所が無くなってしまった事を悲しむと、そこに愛着を感じていた自分自身が、母を侮辱する事にもなってしまいかねないし、サザントスさんはその感情を持て余していたかもしれませんね。

     でもそれによって絶望を味わったのは事実だから、選ばれし者へ絶望を味わわせる手段として居場所を奪うという方法を用いたんでしょうか。きっとサザントスさんにとっては、もし自分が持ち主であれば聖火神の指輪が闇落ちするほどに絶望的な出来事だったんですよね。はじめからどうでもいいものを失っても絶望はしませんよね。しかも「かもしれない」で結んでるから、なんだか自覚してなさそうですね。

     居場所を失ったという事そのものも、母親への強い思慕の感情に繋がる気がします。
     というのも、居場所がなくなったためもう母親しか縋る物が無い、望まない子供だったとしても愛情を注いでくれようとした母親の愛だけは信じられるもの、と繋がりそうな気がするので。

     考えても考えても謎。母への感情はマジでなんなんだ?分かるんだけど分からん。ママ呼びは本当になんなの?なんというか説明できないけどサザントスの中に渇望する何かがあるよね?
     サザントスさんの母親と自分のイメージが、ファラメの腕に抱かれた赤子で止まっているだけなのか?
     さらばだ、母よ、をしたのに結局訣別できずに最期に母へ助けを求めるにいたる思いはなんなんだ?
     なんとなく分かるんだけど言語化できないし、合っているのか分からない。全然情報というかエピソードがない。情報が無さ過ぎるので一から十まで推論になってしまいますね…。わかんない…どうして……??
     これで単に男は全員マザコンなんだよ♡とか言われたらどうしよう。そもそもマザコンの域を越えてるだろ!

     今、これ書きながら唐突に思いついて、ヒエッ…となってるのが、サザントスさんのママ呼びは、単に、サザントスさんが過度のストレスで幼児退行起こしてる説です。そんな、そんな私に都合のいいことがあっていいのか?私は過度のストレスで精神に支障をきたす人間が大好きなんだ。でもマジでこれがアンサーかもしれない。シンプルで強烈な答えだ。


     なんだか私はこの男の事を複雑に考えすぎかもしれん。納得したくて描写から膨らませすぎてるのかも。
     黒呪炎浴びた!欲醜い!!人間の欲は邪悪!!でも私は聖火守指長なので邪悪を解消して世界を救います。はい。シンプルでいいやん。


     結局私が何を言いたいかというとサザントスさんってマジで空っぽなんですよ。自分の物を何も持ってない。守指長になる動機もやってる理由も全部外部からのものですよね。
     青い炎を信じる心、自分に宿る青い炎はすべての者に希望をもたらすというのも、だから邪悪は焼き払わなきゃいけないし、そのための力が必要なんだというのも、そういうものだと教えられてきたからであって。
     最初は教会暗部的なところからの教育で、守灰文書を知ってしまった後は、母のされた事をせめて無駄にしないようにそれが自分の存在意義だと固定化させてなんとか保ってきたわけですよね。

     サザントスさん本人も含めて、周りのすべての人間は聖火守指長サザントスという偶像を見ていたよね。そして本質を見抜けた人がいなかったのは、そもそもからっぽなサザントスさん本人に本質なんてなかったわけで。

     やばいな、と思うのが、サザントスさんはこのように精神的にも何も持ってない上に、聖火守指長なのに聖火神の指輪を持ってないんですよ。枢機卿的人物からは、選ばれし者に、大陸の覇者になれって言われ続けてたっぽいのに。
     主人公である選ばれし者に対して、サザントスさんは選ばれなかったんですよ。聖火神の指輪に。正確にはフィニスか?でも4節冒頭で選ばれし者がフィニスに指輪を返すやり取りの時、聖火神も離れがたかろうって言われるらしいので選ばれし者は聖火神に想われているよね。

     私はサザントスさん恐らく聖火神の指輪かなり欲しかった説を推しています。結局聖火神の指輪無しでも彼は理想郷を作るに至ったし、シグナの犠牲のおかげで指輪の力はもう足りていたんだろうけど、それでも”聖火神の指輪”は自分の手元に置きたかったのかも。だってそれは選ばれし者になれと言われ続けた、聖火守指長の自分の手にあるべきものだし。最後の手記でもぽろっとお気持ちが漏れてたね。かわいいよ。
     単に選ばれし者の弱体化を図りたかったのでは?と言われると反論が……できねぇ!


     もうね、考えれば考えるほど、本当にどうしたらよかったんだろうね。


     リシャールの言ったあんたが世の中全体を心配する必要なんてない的なこと、あれは一国の王である(でしかない)リシャールと聖火守指長であるサザントスの立ち位置の差が如実に出ていて、9割くらいの場合はリシャールの言ったことが正しいんだろうけど、聖火守指長は世界の守り手であり、「人の手では抗えぬ力」に対抗しようとする力なんですよね。聖火守指長は世の中を心配しなきゃいけない役割の存在なんですよ。

     ただそういう考えこそが、一人の人間に背負わすには過ぎた事であるというのはそれはそう。そこを否定するのなら分かる。そうすると聖火守指長だけでなくアガペアとかも全部否定することになるけど。
     だからこれを言えるのは、ユリウス教皇や指ママのアタラクシアさんみたいな、ちゃんと事情を分かっていてそれを考慮した側の人間が初めて口に出せることだと思うんよ。そしてそれを言うならば、使命を負った人間を解放させてやれるほどの、世界が危機に陥っても支えられるような別口の解決策を用意してなければいけなかったよね。
     その面で考えても、サザントスさんは孤独だったよね。そうした助力もなく、一人でやるしかない、青い炎に問いかけ、迷っていたとしても使命を放り出せない。でも、もやもやしながらも頑張ってきてみれば、リシャールが言ったような事を言われて否定されるんですよ。ひどいよね。

     もしかすると、サザントスさんはこの世から欲を消す事によって、何より自分自身が解放されたかったのもあるかもしれないですね。起こる問題の種を無くして、自分が守らなくても良い世界へ作り替えて。
     そしてもしサザントスさんが無意識に聖火守指長を重荷に感じていたとしたら、それにロンド君を推薦してあやつを頼みますするの、かなりの期待と信頼がある気がする。


     サザントスさんはどうしたら救われたのでしょうね。

     サザントスさんが自分の運命みたいなものから抜け出せるタイミングは一応あって、守灰文書を知った時点で教会も人間世界もクソなので聖火守指長やめます!ってすれば良かったんですよ。でもそうすると、完全に母は汚され損じゃないですか。母のされたことをせめて無駄にしないためには、本編でサザントスさんがそうしたように世界を守る聖火守指長であり続けなければいけない。もうどこまでも縛られて逃げ場がないよサザントスさんは。
     母の事を思う気持ちはそのまま世界を救わなきゃになってるんですよね。最悪だよこの人生。どうすりゃいいんだよ。

     出生があれなだけなら乗り越えられたかもしれない、でもそうしたどす黒い事を行ったのが、まさに自分を育てていたところで。それでも、自分で暗部の始末をつけて、その後も炎に問いかけながらも自分の役割を全うしようと思ってたのに、黒呪炎を浴びて欲が生まれてしまったためにそれもままならなくなってしまう。
     何度も段階を踏んで念入りにサザントス君の人生が破壊されていく…。サザントス君の立っている地面のなんと不安定な事よ。ふらついて転んでも、腕を掴んで立たせてくれる人もいない。
     倒されるボスとして消費していい人格じゃないでしょ。救われる側の人間じゃないのこの人?

     少なくとも彼の”理想”とどこかで折り合いをつけて手放さない限り、彼に平穏は無かった気がします。
     でも理想を捨てなかったからこそ、選ばれし者に打ち倒された後も、聖火守指長に任命されたロンドを見守るような人であり続けたとも言えます。ラスボスとして稀有過ぎる。継章の最後でロンドを見守るサザントスさん、初見だと戸惑ったし納得いかなかったけど、これもサザントスさんの一面なんだな、って自分の考えを吐き出しているうちに思えるようになりました。


     結局彼は最期まで庇護者だったよね。でも、サザントスさんに必要だったのは、彼こそを庇護する何かだったんじゃないかと思います。
     悲しい出来事あった時に、サザントス本人の代わりに悲しんでくれたり憤ったりしてくれる優しくておせっかいな存在。
     世界が人には抗えないほどの邪悪な力に揺らいだ時には、肩の荷を半分渡せるような、正義を成すための強力な力を持っている存在。
     サザントスさんの眉間に寄った皺をうりうりと伸ばしてくれる存在。


     サザントスさんの救いになる要素をない物ねだりしたい。
     その要素になりえそうなもの、「サザントスと選ばれし者とロンド君」の関係についても考えたいですね。
     先に言っちゃうと、プレイヤーの意思が加味された登場人物、選ばれし者に他ならないんですけどね!


    **********
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏👏👏🙏🙏👏👏😭😭😭😭🙏🙏🙏💯💯💯💯👏😭
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works