綱茨みたいなネタを思いついた。
綱茨はほんの数作品しか読んでないからわからないけど、多分二番煎じネタだと思う。

綱がチョコを刻んでいる。湯せんする前に刻んどいたほうが早く溶かせるてきなあのそういうあれ。
で、考え事してたせいで手が滑って指を浅く切り、チョコに血が混ざってしまう。
やってしまった……と手元を見つめる綱。捨てるのも勿体無いし、このチョコはとりあえず固めて自分で食べて魔力として補充することに決める。
そろそろ固まっただろう頃合いで冷蔵庫から取り出す。このタイミングで茨木が菓子を求めて厨房にビュンッとやってくる。綱の手元のチョコを見てさっそく強奪。
綱はいつもは菓子を強奪されても「行儀が悪いぞ」とか「全く……仕方のないやつだ」とか口先だけで小言を述べつつしたいようにさせてる（自分の作った菓子を茨木が食べるのはやぶさかではないため）。
でも今日に限っては「それは駄目だ」って本気で取り返そうとする。
綱がわざわざ取り返そうとするということは、特別な仕込みをした贅沢なチョコに違いないと踏んだ茨木、チョコを素早く口に入れる。
瞬間、今まで体験したことのない甘さが口の中に広がる。美味しさのあまり再臨するレベル。予想通りの贅沢チョコ、予想を超える美味、まさか綱がこれだけのものを作り上げるとは……。ってちょっと悔しくなって綱をじろりと睨む茨木。綱は（血の味が不快だったのだろうな）と思って「だから駄目だと……」って言う。
で、ここから茨木の身に異変が。まず再臨が戻らない。そして今まで美味しく食べていた菓子が砂のような味にしか感じなくなってしまう。あきらめきれずにひと口かじってみては悲しそうにする茨木。エミヤやロビンフッドが茨木の不憫さにめちゃくちゃ胸を痛め、いろいろ工夫を凝らすが徒労に終わる。ダヴィンチももちろん霊基異常を疑って検査をするけど、不審な数値は全く出てこない。
で、綱は一人で地獄みてぇにふさぎこんでいる。そもそも冒頭考え事してた内容っていうのが、前日に聞いた酒呑童子の台詞。廊下でマスターと酒呑童子が会話してる近くをちょうど通りかかったんだよね。歓談の最中ならわざわざ水をさす理由もないって思って、マスターに無言で会釈だけして通り過ぎようと思ったんよ綱は。でも酒呑が、廊下の向こうで緑の人から菓子をもらってはしゃいでる茨木を眺めながら、マスターに向かって話すていで「うちらにとっていちばんあまぁいものが何か、まだわからへんのやね」って言ったんよ。わざわざ綱にも聞こえるように。
そのことが気になって気もそぞろになってて手元が狂ってそこからのこの事件よ。俺はやはりこのカルデアに来るべきではなかった、百歩譲って茨木との接触をこちらから完全に絶つべきだった、彼女に何か贈り物ができるならと思い上がったのが間違いだった、今からでも座に還ればあるいは茨木の症状が改善するやも……のように、青くなってさんざん悩む。
で、茨木はそもそもあのチョコに綱の血が混じってたことさえ聞かされてねぇわけよ。ほんで勝手に思い詰めてる綱を見て、いい加減いらだつよね。実害を被っているのは吾の方だというのに悲劇の主人公かのように青くなりおって！どうせ汝だけは吾がこうなった理由も知っているのだろう！汝はいつもそうだ！訳知り顔で、そのくせこちらには何も知らせずに一人で勝手に思い詰めて、さては阿呆なのか！？！？って怒って、そっから生前できなかった「腹割って一から十まで話す」をするきっかけになったらいいな。俺が本当に為すべきはこれだったのかって、綱が気付くきっかけになったらいいな。
その後はナーサリーのお茶会に綱お手製の菓子詰め合わせの弁当持参で参加する茨木とか見られるかもしれない。
あと茨木が綱に「もっとれぱぁとりぃを増やせ。菓子だけでなく料理も作れ」って詰めに来たりするかもしれない。
あとエミヤまたはロビンが何かを勘違いして、ある日「秘蔵のレシピをこっそり教えて欲しい」って言いにくるかもしれない。