綱金の話。
基本的に恥ずかしがる金時だけど、共寝をするようになって数年も経てば、時々は「早く兄ィとしてぇな……」って思う日も来るだろうさ。ッッカーーーその事実だけで飯何倍でも食えるな🍚🍚🍚🍚
しばらくお互い忙しくて共寝の暇がなく、今夜だったら……みたいなタイミング来て、綱の屋敷に招かれた金時。お互い明言はしないけど二人とも待ち遠しくてちょっとそわそわしてる。
時期は冬。交互に湯浴みを済ませる二人。
金時は寝床で綱が来るのを待ってる。綱は金時の視線を背に感じながら、手の甲に軟膏を塗ってる。冬は乾燥するから、綱の手がちょっとひび割れてる。出血してると鬼や魔性がその匂いにつられて寄ってくるからね。遠征先で鬼から一撃も喰らうことなく討伐を果たしたとて、手足に別の要因で傷があれば、隠れ潜んでいた鬼が帰還する綱の後をつけて京に近付こうとするかもしれんし。セルフメンテナンスはきちんとこなす綱。
金時は綱のその真面目な性格をよくよく知ってるし、手が荒れてるなら早く治るように処置した方がいいってのは重々わかってる。けど、それはそれとして、こと今日の今については「兄ィ、早く抱いてくんねーかなぁ」の気持ちが強いのもまぁ事実。
けど急かすのもなぁ……とか考えながら、綱の背中をじーっと見てる金時。
軟膏をきちんと収納した綱が、さっきからずっと刺さってる視線に苦笑しながら振り返る。
「全く……仕方のない奴だな、お前は。」
綱に微笑とともに見つめられると途端に羞恥が勝ってヒョイとあさっての方を見る金時。
「……ワリィとは思ってっけどよォ……。」
口をとがらせつつ、一応弁明する金時。
それだけ自分との共寝を待ち焦がれていてくれた事が嬉しくてたまらない綱。
「……俺も悪かった。ずいぶん待たせたな。」
詫びながら笑って、綱は金時を抱きしめる。
照れてしかめっ面してた金時だけど、綱の体温に気持ちが安らいで、「……ん」って穏やかな表情になって、綱に身を預ける金時。