海デート少し汗ばむ夏の季節。
思わず木陰に逃げ込んだ先で、一緒に外を歩いていたヴォックスが声をかけた。
「シュウ。今度の休暇に一緒に海へでかけないか?爽やかな風を感じながら、冷たいジュースを飲んだり、浜辺で水遊びもいいだろう」
その言葉に、思わず海辺での光景を頭に思い浮かべた。
大きな海原から吹き抜ける、潮の香りがする風に、子供の頃に戻ったように波打ち際で遊ぶ自分の姿。海の家にはどんなものが売っているだろうか。かき氷?アイス?それとも、おしゃれなカフェが並んでいたりするのだろうか。そんなことを想像していたら、目の前にスマホの画面が差し出された。
「気になるか?ここに行きたいと思っているんだが、どうだ?」
同じように木陰に入ってきたヴォックスは、そのまま画面と一緒に身を寄せてきた。汗ばんだ肌から香る彼のほのかな匂いに、ドキリと胸が高鳴った。
4719