聶兄弟と孟瑶射日の征戦から数年後、戦後の処理も落ち着きそれぞれの世家は再建を終え、戦前と同じ様にとまではいかないが、平穏を取り戻しつつあった。清河聶氏もその一つである。宗主である聶明玦は最近悩みがあった。それは副官である孟瑶だ。孟瑶は琅邪での一件で再び聶氏の副官として戻ってきたのだが、以前と様子が変わってしまった。例えば、他者に軽んじられても以前の孟瑶ならそれに対し、誰の前でも耐えて笑顔を見せていた。しかし、今はその対象がいなくなった瞬間、明玦に笑顔で話し始めるのだ。その相手を苦しめる計画内容を。そしてそれを嬉々と話すため明玦もどう反応していいか未だにわからない。ということを、とある昼下がり、弟である懐桑に愚痴っていた。
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