眠り姫久しぶりに、君の顔を見た気がする。
扉を開けば無機質なその部屋には、点滴のチューブや管、沢山の機械に囲まれ、ベッドで眠るはなの姿。
ーー止まっていた時は、動き出した。
他ならぬ、過去のはなの手で。
未来の世界では時もまた動き出し、此処に居るはなの時間も進み出した。
「全部終わったよ、はな。ただいま」
声を掛けても返事はない。
機械音が規則的にはなの心音を告げている。
ジョージは眠り続けるはなに近付き、ベッドの横で立ち止まる。
「幼い君に出逢ったんだ…」
窓から見える澄んだ青空は、あの時幼いはなと見たものと同じ空。ジョージは手を伸ばして、そっとはなに触れた。
頭を優しく撫でる。
柔らかなその髪が少しだけ揺れた。
「でも君はやっぱり、こんな未来は望んで居なかったね」
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