今日の夜の出来事23時も過ぎた頃、寝る支度を済ませたところでスマホがテーブルの上でかたかたと震えた。表示された名前を見て通話に切り替える。
「ランランいま部屋?」
少し舌っ足らずな嶺二の声がスマホ越しに聞こえる。珍しく少し酔った様子だ。
「ああ」
「よかったあ。いまからそっち行ってもいい?」
「今から?」
「そー。いまから。飲み足りないんだよねぇ」
「一緒に飲んでたやつに言えよ」
「おとやん明日早いからって帰っちゃったんだもん」
音也と飲んでたのか。あいつは案外あっさりしてるから嶺二の誘いも受け流してとっとと帰ったのだろう。この様子じゃうざい絡み方をしてた可能性もある。
「おまえも帰ればいいじゃねえか」
「無理だよ。もう来ちゃったし」
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