コサアドちゃんになるまで1「……ぃ……お……ぃ……聞こえる〜おーーい」
ここはどこだ……
「おっ!お目覚めかい、おはようさん。」
辺りをキョロキョロ見渡した、見た事ない部屋のベッドだった。
「安心しな、ここ病院。」
ワタシを起こしたアドソンはそう言った
白い体に赤と青の角、長髪
全く状況が読み込めない混乱した状態の中
彼にワタシは尋ねた。
「キ、キミハ?ドーシテワタシハ、ビョーインニイルノデショウ?ドコモイタクナイノデスガ……」
「おやおや?メモリーが抜け落ちでもしたのかな?」
メモリー……そういえばワタシは何をしていたのか?そもそも自分が何者なのか思い出せない……まるで今までの記憶が全て無かったかのように……
アドソンである事は間違いないのだが……妙に毛深い……
ふと手のひらを見る、指が短い……と言うより指が骨?爪?のようなものになっている……
「あんた、混乱してるねぇ……まぁ無理もないか。あんな災難に巻き込まれたんだからさ。」
「サイナン?」
「そっ、災難、ウィルスンらがおかしくなってさ、片っ端から街や住民らをくらい始めたらしな。
ま〜オレはその場にいなかったんだけど大騒ぎだったらしいぜ」
そんな大騒ぎが……ワタシはそこに居たなんて……
「でも、驚いたよ、あんたここに運ばれた時はもう死んでもおかしくないぐらいデータの破損が酷かったのにさっ……今はピンピンしてんじゃんどっかのアドソンがデータ提供でもしてくれたとか?」
「ヘッ?」
「オレらみたいなデータで構成されたやつは、データが破損しても代わりのデータがあるか……もしくは誰かにデータを提供して貰えりゃ助かるんだぜ?
光の世界の情報で例えると"臓器移植"ってやつみたいなもんかな?あんたは代わりのデータ持ってなかったみたいだし、一体どこのお人好しなんだ?」
データ…提供……ワタシは誰かのデータのおかげで生きられてる……一体誰なんだろ……誰にせよ、生かしてくれたことに感謝しなきゃ……
「そーそーそーいやぁ名乗ってなかったな……
オレは、ツユアド。近くでおもちゃ屋やってんの
……であんたは……って思い出せないんだったな」
「……ジャア……カワリニツケテ……オモイダセルマデ……」
ツユ「オレが付けんの?……じゃあ俺のマブダチだからコサメってどうだ?」
コサメか……コサメ……ってそれより
「……マブ」
ツユ「マブマブ!オレ友達いないんだよなぁ、ここで会ったのも何かの縁ってことで!」
「ソレデモイキナリマブダチハ……」
ツユ「嫌だった?」
「イヤジャナイ……イヤジャナイケド……」
ツユ「つーわけでよろしくなコサメ。」
「ウン、ヨロシクネ、ツユアド」