あなたはプレゼント12月25日恋人たちが聖夜を共にするクリスマスの日。しんしんと雪が降り積もるプププランドには1人の青い影が、真っ黒な蝙蝠の翼を広げて上空を飛んでいた。片手には恐らく誰かと食べるであろう美味しそうなケーキを丁寧に抱えて、もう片手には小さな小さなプレゼント箱。生き急ぐように、彼は白銀の世界を飛んだ。
_あなたはプレゼント
コンコン
景気のいいノック音が響く。料理の準備していたピンク色の丸い手は一時その作業をやめ、扉の方を見た。
コンコンコン
またもやノック音。外はきっと寒いだろうと急いでピンク色の住民、カービィは扉を開けた。
「遅くなってすまないカービィ。そなたの好きなチョコレートケーキが中々買えなくてな」
「…うわぁ、ありがとう!外寒かったでしょ?さぁ、早く入って入って!!」
蝙蝠の翼をマントに変え、家へと入る。その際、片手に持った小さな小さなプレゼントはあとのお楽しみとマントの中に隠した。
「これって、カワサキが作った限定チョコレートケーキだよね?凄い!並ぶの大変だったでしょ?」
「いいや、毎年頼んでいるから大変ではない。それにそなたの喜ぶ顔が見たいからな」
恋人らしいたわいもない話をしながら、2人だけのクリスマスパーティの準備を進める。大きなタンドリーチキン、ほっくほくのポテトサラダ、チーズたっぷりのピザ。カービィは涎を垂らしながらテーブルへと料理を運んでいた。その様子を見てくくくっと喉を鳴らす。早く準備を終わらせないときっとカービィは吸い込んでしまうに違いない。もしそうなったら、隠している小さなプレゼントも巻き込まれてしまう…そうなったら一大事だと彼は料理を運んだ。
今宵は楽しい夜になりそうだ。