大切な存在 シノと初めて喧嘩して、仲直りをした。
その時に貰った花束が凄く嬉しくて、何かお返しをしたくなった。
シノの行動を観察していたら、欲しいものがわかるかと思っていた。でも、広い城の中では中々会うことが出来ない。
そもそも、大領地の領主の息子と小間使いが仲良くなることが異例なのだ。両親の寛大さに感謝こそすれ、なかなか会えないと文句を言うことなど出来ない。頭ではわかっているものの、なかなか会えないことはもどかしく感じてしまう。
普段のプレゼントは相手の求めるものを、使用人達が噂を掴んで裏付けを取り、確実に喜ばれるものを渡していた。そこに俺の思考が入る隙はなく、長年培ってきた使用人達の目に狂いはないので断る理由もない。
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