雷「あ、今光った」
「そうだな」
夜空を明るく眩い光が覆い尽くすとその数秒後に低く鳴り響く雷鳴。ごろごろ、とはよく童話などで表現される擬音だろうが実際はそんな可愛い物ではなく、腹の底に響くような重く低い音で熱帯夜を埋め尽くす。
二人は敢えて部屋の電気を消して真っ暗にし、同じタオルケットに包まってベットの上で夜空を眺めていた。
そろそろ寝ようかと共にベッドに入った所で突然降り出したバケツをひっくり返したような豪雨。
耳の良い宇髄が笑ってしまうほどの雨の音に揃ってカーテンを開けて窓を見た所で、部屋の中を照らすほどの稲光と、怒号のような雷鼓が鳴り響いた。
何となくそのまま寝るのが勿体なくて見上げる空は分厚い黒い雲に覆われて全く雨が止む様子は無く、宇髄は煉獄の肩へと頭を預けて少しだけ甘えるように首筋に鼻を寄せる。
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