「久しぶりに楽しいゲームだったよ」
「楽しませたお礼に逃がしてくれてもいいのよ」
「それとこれとは話が別だ」
「そう残念。次は啼かせてあげるわ」
ウィラはそう言い残して、自ら首を掻っ切る。
「投降は綺麗ではないから辞めてほしかったのだけれど……」
もうものを言わない存在に一人呟いて、ジョゼフは緊張を吐き出した。帰ったら少し休もうと思いながら、ジョゼフはぼんやりと荘園への帰還を待つ。
しかし、一向にその気配はない。
「はぁ……最悪だ」
不具合に巻き込まれたなとため息をついて、ジョゼフはベンチにどさっと身を投げ出した。この数日よく眠れていないこともあり、一息に疲れが襲ってくる。どうせしばらく帰れないのだから、このまま少し眠ってしまいたかった。しかし、眠ってしまってはきっとまた良くない夢を見ると、ジョゼフは虚空を見つめながら今のゲームを思い返す。
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