ポロアディ(風味)でおんぶ激しい戦闘の喧騒がようやく静まったころ、アディオたち彷徨える一族は、何とか海軍の猛攻を耐え逃げ切った。息を切らしながらも、彼らは仲間の無事を確認し合い、安堵の表情を浮かべる。しかし、その戦闘でアディオは仲間をかばい、足に怪我を負ってしまった。
「すまない、俺が油断したばかりに…大丈夫か?」仲間の一人が、申し訳なさそうにアディオに声をかけると、無理に笑顔を作り「この程度、大したことないさ」とおどけてみせる。しかしその額には冷や汗が流れており、怪我を庇いながら歩く姿は痛々しかった。
そのやりとりを見ていたポロロッカは、アディオの足元にしゃがみこむと足を無理やり掴み怪我の様子を確認する。太ももを銃で撃たれたようで酷く出血しており、更に足首にも違和感があるようだ、折れているのか捻ったのかまだ分からないがかなりの痛みを伴っている筈。
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