香水の話レイってデートの時いつもと違う匂いするけど香水とか付けてるの…?
ん?あぁ、少しだけな…。気に入らなかったか……?
少し眉の下がった彼に慌てて首を振る。
違うよ。いつものレイ先生の匂いも、お風呂後のあなたの匂いも…この匂いも全部好き…。
ねぇ、この香水どこの?私も同じ物欲しいな…
そんなに気に入ったのか?
うん。その香水があればあなたと会えない時もあなたを感じられるでしょ?
少し驚いた彼の耳は赤くなって、その後何か考える仕草をした。
っ…。…………なら後で家に寄って少し分けてやろう。
いいの?
あぁ。
デートの後彼の家に寄った。
この可愛い小瓶にお願いします。
デート中に見つけた雪の結晶の模様が入った可愛い小瓶。
これも彼っぽくてつい買ってしまった。
まずはおためしの分量にしておこう。
レイは少しだけ注いでくれた。
えへへ…ありがとう…早速お風呂後に使ってみようかな、そうしたらきっと夢でもあなたに会えるよね。
彼が優しく頬をつつく
ふっ…夢でも私に会ってくれるのか?
もちろん!
だが…今日あんなに歩き回ったんだ、疲れてお前は夢も見ないかもしれないが?
絶対見るもん。
私が即答すると彼は笑っていた。
その後どんな夢を見たいか話しながら彼に家まで送ってもらった。
よし…早速…
お風呂上がり、彼に分けてもらった香水を手首に1振り。
ん…いい匂い………。あれでもなんか違う…。
確かにいい香りだが、彼が付けている時と何か違う。
レイ。これ本当に同じ香水?
まさか違う物じゃないよね。
眉を寄せるスノーマンのスタンプと一緒にメッセージを送る。
彼もまだ起きているのか、すぐに返信が来た。
同じ物だ。
でもなにか違うんだけど…。
もしかして柔軟剤とかも一緒にしないといけないのかな。
いや、聞いた事は無いか?香水はその人の体臭と混ざって匂いが変わるそうだ。
あ…してやられたと思った。
きっと今彼の口角は少し上がっている事だろう。
じゃあ、あなたを感じるにはあなたが居ないとダメって事…?
そういうことになるな。
彼は確信犯だ。
こうなることが分かってて分けてくれたんだ。
結局その日ベットは、ただただいい匂いなだけで。
彼に会いたくなる気持ちが増すだけだった。