ギラギラとした照明にこの場が燃えてしまうのではないかと思うほどに次々と上がる花火、そして様々な感情がいり混ざる声。それを上から見下ろしている西谷。
そんないつもの光景に
「つまんねぇな」
と愚痴を漏らす。そばにいた女性たちはビクリとし、「よぉ言いますわ」と言いたげな顔をして西谷の椅子の後ろにたって報告をしに来た獅子堂。西谷のかつての地位からここまで上がってくるのにはそう長くはかからなかった。あの人にあってからかあの人のために役に立ちたいと思うようになってから…。だからだろう。
今がとてつもないほどにつまらないのだ。西谷にとって今のあの人は
「俺より下のやつらと楽しそうにしている。」
それが彼にとっては気に食わなかった。そう思えば思うほどだんだんいらいらしてきた西谷は周りの女性たちに八つ当たりをし、獅子堂はそれを黙って見ていた。
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