人魚の情権買い出しで六分街へ向かおうと準備をしていると、ついでにこれをパイセンに届けてくれと大将から荷物を託された。
なんでも義手と相性のいい部品が手に入りパイセンにも使えるかもしれないから渡してほしいらしい。
断る理由はないのでバイクに荷物を積み、俺は都市までバイクを走らせることにした。
あの件以降パイセンとまた関われるようになったが、お互いそんなに暇ではない。
そう頻繁に顔を合わせる機会もなかったが、荷物を渡すという名目は呼び出すのに都合がよかった。
大将にはきっとそんな意図なんてなかっただろうが、俺としてはありがたい話だ。
六分街に到着し、バイクを停めて荷物を抱える。
パイセンに連絡をしようとスマホを取り出したが、そのタイミングで目立つピンク色の髪をした女が歩いているのを見つけた。
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