視線① 見守るだけ「僕、悠仁のこと好きなんだよね」
「急に何をいうかと思えば…そんなこと言うためにわざわざ来たのか?」
一年が任務で留守な中、暇を持て余した僕は硝子のいる医務室へ赴いていた。
呆れた硝子は、作業していた手を止めこちらへ向き直る。
「だから何だって言うんだ。お前を見ていたら誰でも気づくだろ。まぁ当の本人は気づいていないようだが」
「あぁ、やっぱり?」
「だが、珍しいな。お前のことだから、もう手を付けていると思ったよ。その口振りだと、まだなんだろ?」
空いた自分のマグカップにコーヒーを注ぎ直す為に動いた硝子は、新しく紙コップを出して僕の分のコーヒーも用意した。次いでにスティックシュガーを雑多に渡される。
「あぁー、そうなんだけどね。手出そうと思った時もあるんだよ。ほら地下室でとかさ」
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