【カイオエ】おまえを好きな理由「俺たち、付き合うことになったんだ」
久し振りに全員が揃った夕食の席でそう告げた時の、魔法使い達の反応は様々だった。
「おめでとう、カイン
少し驚いたけれど、おまえが幸せなら私は嬉しいよ」
アクアマリンの瞳を細めて微笑む主君に、無意識に強ばっていたカインの頬が少し緩んだ。
因縁の相手とも称される相手との交際。
後悔はないし、もちろん愛している。
それでも迷いがないかと言われると、心がざわついてしまう。
驚かれ…はするだろうけど、否定されたりしないだろうか。
心を操られていると疑われ…はしているようだ。
フィガロとファウストから、なにか見透かそうとしているような視線を感じて、2人の姿を視界から外す。
だって、自分でも信じられないと思ってしまうことがある。
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