イチサマーメイド無配「まじかよ。最悪。鱗剥げたじゃねぇか」
「わ!めっちゃ痛そう……」
黒髪の少年は、美しい銀色の鱗に覆われたヒレをそっとのぞき込む。
鱗がはげたのは一枚だけのようだが、はげたところの地肌?が剝き出しになってとても痛そうである。
「そんな痛かねぇわ。海の中だとすぐ再生すんだけど、ここ川だしな。塩分が足りねえのかも」
「この薬塗る?カッパの塗り薬。俺は試したことないけど、隣ん家の坂本のじいちゃんは若い頃人間に鎌で腕切られたときこの薬塗ったら切られた腕くっついたって。とれた鱗もくっつくかも」
少年は肩にかけたポシェットをガサゴソ言わせながら軟膏を取り出した。
「ヒトデみてぇな爺さんだなそいつ」
「ヒトデ?」
「あいつらは薬塗らなくても勝手に再生するけどな。なぁこれ変な匂いするけど本当に大丈夫か?」
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