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    ネオン(どシコりシコ太郎)

    @neon_ug

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    ここをFGOの帝都騎殺/龍以のえっちな作文とか絵とかを格納するキャンプ地とする🏕️すけべな人だけ通りなさい

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    POIPOI 91

    6月新刊予定の本の最初の話のどあたまのちゅっちゅするとこまで
    12月の本の最終話のそのまま続き 一緒のおうちにくらす両片思いのふたりが両想いだってわかった、はじめての夜のはなし

    坂本くんと岡田くん続編サンプル①日付も変わった夜更け。
    蔵の中に併設されている従業員用の宿舎を兼ねた一軒家の窓からは、カーテン越しに蛍光灯の光が溢れている。
    誰もいない客間兼居間のローテーブルには、いくつかの酒瓶と酒器だけが残されていた。
    先程までの派手な騒ぎが嘘のような静けさに混じって、台所から水音と話し声が聞こえてくる。
    「いや〜それにしても、今日はみんなようけ呑んじょったねえ」
    蔵元の龍馬が、渡された食器の水分を布巾で拭き上げる。
    「あったりまえやか、わしの渾身の酒ぇ振舞っちゅうがぞ!」
    洗剤のついた器を水で流す担当は正式に杜氏を引き継いだ以蔵の役目だ。
    今日の午後、ようやく蔵のメンバーにお披露目と相成った酒。新杜氏である以蔵が全ての設計から音頭を取り成し遂げた、この蔵の一〇年ぶりとなる新銘柄は蔵人たちに喜びと驚きをもって迎え入れられた。
    精米歩合は四十五%の純米大吟醸。穏やかで落ち着いた吟醸香がふわりと香り、まだ若い今の状態でも充分に角が取れ、まろやかなテクスチャーが舌を優しく包みこむ。しかし土佐蔵に特徴的なキレの良さは健在で、残りがちな甘さを軽やかに切り上げる後口の良さが上品にすら感じられる。
    この蔵の個性を感じる造りでありながら、良い意味でこの蔵らしくない。
    (龍馬さんみたぁに新しゅうて、以蔵ちゃんみたぁにやさしい味がしゆうねえ)
    なんて目尻を下げた先代蔵元の温かい声を思い出し、龍馬は最後の食器を棚へ戻した。
    「はい、おしまい」
    「ん、おつかれさん」
    ひと足先に居間の座布団に座っていた以蔵が振り向き、手にした猪口を軽く上げて見せる。
    それを見て、龍馬は微笑むとその隣へ腰を下ろした。
    「ほれ」
    四合瓶の首がぬっと差し出される。
    龍馬が自分の一合猪口を持つと、とく、とく、と今度は穏やかな水音が聞こえた。
    「ふふ、書文のりふみのおじさん、喜んでたよね」
    利き猪口の底、蛇目柄をじっと見つめながら龍馬が言う。
    「ほうかあ? いつもみたぁにな〜んも言わんでぱかぱか呑みよったばぁじゃろ」
    「最初は味を見てたけど、そのあとのペースすごかったよ。きっと、美味しかったんだと思う」
    「…………」
    以蔵は器を唇に押し当てたまま、ふいと視線を左上に逸らす。僅かに眉尻が下がるのは、照れ隠しをする時の昔からの癖だ。
    「ちゃんと認めてもらったんだね」
    この蔵での雇用契約を終えた先代杜氏は無骨で寡黙ではあったが、これまでの彼の人生の中で磨き上げられてきたその辣腕は鈍るどころか、歳を経るごとに研ぎ澄まされてきた。
    その匠が何も言わずに杯を重ねたと言うことは、少なくとも龍馬から見ると最大の賛辞以外の何物でもない。
    「どうだかのぉ…………」
    口ではそう言ったものの、幼馴染の他人の心を読むような鋭い観察眼は折り紙付きだ。以蔵は盃の中に残っていた酒を一気に喉奥へ流し込む。
    「まだ飲む?」
    「もう一杯」
    「はいはい」
    ぐっと突き出された器へ今度は龍馬が、目前の男の名を冠した四合瓶を傾け酒を注ぎ込む。
    「僕ももう一杯だけ飲もうかな……」
    そのまま自ら酒器へと瓶の口を移した手首を、以蔵の手が握って押し留めた。
    「……手酌らぁしな」
    目線は手元。下方を見る眼に重く掛かる濃い睫毛。
    「……ん、ありがとう」
    静かに注がれる透明な液体はまだ出来て日が浅いため、本来のとろりとしたテクスチャーは付いていない。しかし、若いからこその瑞々しさと清廉さ、少しの青さを楽しむことができるのもまた、龍馬にとって喜ばしいことだった。
    「……」
    肩を並べゆったりと杯を傾ける幼馴染の横顔を盗み見て、気取られないように視線を外す。
    カチ、カチ、と古い秒針が規則的に時を刻む。
    同じ屋根の下で暮らし始めてもう一年になるが、龍馬と以蔵の関係性は、昨日までとは違うものになったのだ。
    「龍馬?」
    「ん、?」
    「どいた? ぼんやりしよって」
    「ああ、その……」
    なんちゃないよ、といつものように笑って閉じ込めようとした感情の行方に思いを馳せる。
    ――いま隣に居る幼馴染に、この気持ちを隠す必要はもう、ないのだ。
    「……見惚れちょった」
    「んん?」
    以蔵はきょとんと左目を丸くして、きょろきょろと辺りを見回す。
    「なに……」
    「以蔵さんに」
    「!」
    さらに眼がこぼれそうなほどに見開かれ、一瞬で頬が桜色に染まった。
    「あ、あやかしいこと言いな!」
    「てんごやないよ」
    机に置いていた酒器を慌てて手に取ろうとする以蔵の手首を、今度は龍馬が掴んで押し留める。
    「ほんまのことじゃ」
    「…………ッ」
    「にゃあ、こっち向いとうせ」
    首を真逆に向けた男の顔を覗き込むように、座布団ごと距離を詰める。
    「以蔵さん」
    「……」
    ――この世でたったひとり、自分にしか聞こえない音で名を呼ぶ、愛しい男の声。
    逃さないとでも言うように強く握られた手首で感じる、掌の熱さ。そのくせ背中に、腰に回された腕はそれを怖じるように僅かに震えている。
    「以蔵さん、すき……」
    後頭部に吐息を感じる。優しく押し当てられる唇が、幾度も幾度も恋情を告げる。
    「…………」
    俄かに信じがたい状況に以蔵の全身が強張った。自分もそう思っていると、やっと言えたと伝えたいのに、石膏のような首は動くことを許さない。
    「いぞうさん」
    ――この声の色を、初めて知った。
    柔和で穏やかな中に潜む、獣めいた欲。
    幼馴染でも、親友でも、きっと覗くことの叶わなかった男の顔。
    「…………これ、いや?」
    腰に触れている指先が微かに離れるような気配を見せると、凍てついていた以蔵の身体は途端に自由を取り戻した。
    「ちがう、嫌やない」
    首を向けると、目と鼻の先に整った顔が現れる。しっとりと濡れた瞳が、不安気に揺れている。
    「……良かった」
    今度は、きつく。
    龍馬は背後から回した腕と手でもう一度、隣に座る以蔵の腰を抱き寄せた。
    「……以蔵さん?」
    そうは言ってもあまりベタベタ触ってくれるなと叱られるかと思えば、意外にも大人しく、ぼんやりと自分を見つめる金色のに瞳に目を奪われる。
    飲んだ酒も酩酊する量には程遠いが、なにか、言い淀むように震える唇。
    「……やっぱり、いや?」
    ――昼間のやりとりが、嘘だったら。冗談だったら。夢だったら。
    不安が先に言葉の形をとってこぼれ落ちる。
    「その、し、信じられん、夢みたぁで、……」
    そっと、以蔵の指先が龍馬の頬に触れた。
    「りょうま……」
    名を呼んで、何度も何度も象るラインを辿りながら、そこにあるかたちを確認する。
    「以蔵さん」
    龍馬の指が、同じように目前の男の頬を撫でた。
    濡羽色に溶けた慕情が、じわりと温かく滲む。
    視線のひとつ、ふるまいのひとつ、どれを取ってもすべてが情愛に満ち満ちているのが伝わり合う。
    「夢じゃないよ」
    「……ほんまかえ?」
    以蔵が龍馬の頬を摘んで強く引っ張る。
    「いててて」
    「おお、ほんまみたぁじゃのう」
    「人で試さんでよ、もう」
    どちらともなく微笑むと、ぱっと二人の間に横たわる空気が和らいだ。
    「……ね、以蔵さん、」
    「なんじゃあ?」
    「……昼間の続き、したい」
    「!」
    さっと、以蔵の頬に朱が奔る。
    それを合図に、龍馬は身体をさらに寄せその唇へ静かにくちづけた。
    脅かさないように、壊れないように。
    唇を押し当てては軽く離し、押し当てては軽く離し、子供みたいなキスを繰り返す。
    触れるたびに少しずつ、抱いた男の唇から、身体から力が抜けていく。
    「……」
    僅かに緩んだ以蔵の下唇を、龍馬の唇が柔らかく食む。以蔵の身体はまた強張るが、龍馬が根気強く啄むようなくちづけを繰り返していると、同じように龍馬の上唇を食むような仕草をしはじめた。
    「ん、……」
    ちゅ、ちゅ、と可愛い音を立てながら、少し色気のあるバードキスを続ける。
    触れる唇と、抱き締める身体の熱さ。
    アルコールのせいではない火照り、沸騰しそうな血液が全身を駆け巡る。
    「……」
    「!」
    ぺろり。
    龍馬の舌先が以蔵の唇をごく軽く舐め上げた。猫のようにちろちろと、くすぐるような動きで何かを懇願している。
    「……いぞうさん」
    「…………ん……?」
    「舌、ちくと出して……」
    「……?」
    言われたまま、以蔵がてろんと肉色の舌を差し出すと。
    「これでキス、しよ」
    また視界いっぱいに想い人の顔が広がり、舌のいちばん先端にそっと、熱いものが触れた。
    「ん、……」
    先程までの唇を使ったバードキスを模した、舌先同士のくちづけ。
    濡れたそれを触れたまま緩く左右に動かし擦り合わせ、ぬるぬると滑らかな触感で睦み合う。
    (…………気持ち、えい……)
    粘膜が触れ合う悦びで、身体がまた違う熱を帯びはじめている。
    「ま、て……」
    以蔵はそれを察知すると舌を離して呼吸を整えようとしたが、その舌先からとろり、唾液がこぼれ落ちそうになるのを見て、龍馬は少し背を屈めた。そしてそれを掬い取るように、以蔵の舌をずるりと自分の口腔へ吸い上げ納めてしまった。
    「ん、ぅ……」
    肉厚な舌は突然の行為に固まっている。
    それを宥めるように舌で、上顎で、口腔全てで懐柔していく。
    (アルコールと、甘い、……)
    先程まで共に嗜んでいた酒の甘さとは全く異なる味が龍馬の口内にじわりと広がる。夢中になって舌を味わううちに、口腔へ含まれたそれはてろりと柔らかく解れ、従順に行為を受け入れていた。
    「……」
    互いに腰に手を回し、もう片方の手で頭や顔を撫でながら舌を吸い合う。
    触れる粘膜の温度が同じになる頃には唇の境界も曖昧で、ひとつになってしまったような酩酊すら感じられる。
    息を整えようとどちらからともなく唇を離しても、分かたれた寂しさに耐えられず、すぐにまた唇を合わせてしまう。縋るような、貪るような交歓を繰り返し、やっと互いの顔が見える距離を保ったときに、龍馬はぺろりと自らの唇を舐めて笑った。
    「……いぞうさんのキス、気持ちえい、おいしい……」
    「ふはッ、なんじゃぁ、美味いらぁ……」
    「ほんまながよ」
    かぷり。
    戯れた子犬の真似事で唇に嚙みついて舐め上げた龍馬がうっとりと琥珀の眼を見つめると、以蔵の頬はさらに上気した。

    [続]

    こっからちんちん擦り合いちゅっちゅになるからキスの日分はおしまい
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