ハッピーエンド最近ネロの様子が変だ。
ブラッドリーとネロは冬の国と春の国の友好の証として結婚した、いわゆる政略結婚というやつだ。
ネロはこの結婚にあまり乗り気ではないようだが、ブラッドリーの方はむしろ望んでいたことであった。
二人はまだ小さいころに春の国で出会い、数時間ではあるが一緒に過ごしたことがある。
ネロの方はそのことを覚えてはいないようだが、ブラッドリーはしっかり覚えており、その時からネロと結婚したいと思い続けてきたのだ。
そんな十数年にも及ぶ片思いの末、念願叶って結ばれたわけなのだが、ネロの方に全くその気がない、どころか当初はブラッドリーのことを嫌がっている素振りすら見せる始末である。
さすがのブラッドリーもこれは堪えた。せっかく結婚したのに嫌われていては意味がない。
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