はじめての騒めき。「おはよう、法正殿!」
朝から大声で呼ばれ見上げれば、眩む程の金髪と力強い眼差しを向けられ溜息が漏れる。
「おはようございます、馬超殿」
「うむ、今日も会えて嬉しいぞ」
同じ教室、席が近いとなれば嫌でも顔合わすだろうが。
「ん……法正殿、また装飾が増えていないか」
「ああ、これ……ふ……ちょっとした、報恩ですよ」
ブレスレットの光る手首を翳し、口角を上げる。自らを飾るのは嫌いでは無く、派手な容姿のせいか報いにと増えてはいた。返事をするまで煩いので適当に挨拶はしてやったが、何処までもしつこく暑苦しい。
「……馬超殿は本当に、誰に対しても物怖じ無いですね」
「ん?それはそうだろう、俺は熱き魂を以て皆と絆を深めたいからだ」
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